「Elegy for Eddie」Jacqueline Winspear

オススメ度 ★★★★☆ 4/5
馬を操る才能を持った知恵遅れの男性Eddieが職場の事故で亡くなった。他殺の可能性を信じる友人達がMaisieに真相の調査を依頼する。やがてMaisieはその事件の裏にある大きな流れに気付くこととなる。
このシリーズに共通している事だが、事件の解決への過程のなかで、Maisie自身が抱える内面の問題や、当時の世の中の流れが見えてくる点が非常に魅力的である。今回はBillyが捜査の過程で襲われ入院した事を発端として、Billyの妻で精神的に不安定なDoreenがMasieを責めることによってMaisieは自分の行動を顧みる。
実際、Maisieは長年のメンターだったMauriceが残した遺産を持て余し、また、貧しい世の中において自分が豊かな財産を持っていることへの罪悪感からか、社員として働くBillyの家族や家庭、夫を事故で失ったSandraの学費を経済的に支援するのである。親友であるPrisillaにも「それが本当に正しい事なの?」と示唆されて改めて自分のやっていることを考えるのである。世の中のために何かしたいと感じながらも、どのようにそれを行うべきか悩む様子は非常に共感できる。
また恋人Jamesとの関係も一つの局面を迎える。結婚して欲しいJamesと、未だに自分が人生で何を求めているかをわかりかねているMaisieの関係が少しずつぎくしゃくしていくのである。そして調査を進めるなかで少しずつ世の中の大きな流れに気付いて行く。
一方ドイツでは密かに弾薬や若者達の飛行訓練が加速しているという。愛する人たちを守るために戦争を避けたいと思うMaisie。また一方では、愛する人たちを守るために戦争に備えようとする男達がいるなかで、世の中が確実に再び戦争に向かうことを知りながらもどうしようもできない無力感を感じるのである。

あなたはこれを「戦争が来た時」のために計画しているのね。「万が一戦争になったら」ではなく

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