2008年06月24日

4-2-3-1

久しぶりに面白いノンフィクションに出会ったので紹介したい。もちろんサッカーに興味のない人にはあまり面白くもないかもしれないが。

基本的には布陣の話である。著者は「サッカーは布陣でするものではない」と強調しながらも、魅力的なサッカーをするオランダやFCバルセロナなどがいかに理にかなった戦術とそれに合った選手を配置しているかをわかりやすく説明する。また、それとあわせて、理にかなっていない日本の布陣を理論的な説明とともに嘆く。トルシエジャパンも、ジーコジャパンも、過去の結果はしっかりとその戦術で説明がつくのだということをわかりやすく説いてくれる。

日本代表だけでなくサッカーファンの記憶に残っている名勝負を例にあげてその戦術と布陣を解説してくれる点も非常に面白い。

2002年ワールドカップ イタリア対韓国
EURO2004のオランダ対チェコ
EURO2004のポルトガル対イングランド
チャンピオンズリーグ2004〜2005 ミラン対PSV
チャンピオンズリーグ2004〜2005 ミラン対リバプール
2006年ワールドカップ 日本対オーストラリア

などなど、もちろんこの試合の様子が記憶に残っている人にこそ最大限に楽しめる本ではある。サッカーをもっと楽しみたい人、自分のチームのフォーメーションに悩んでいる人。居酒屋でのサッカー談議に負けたくない人にお薦めである。

投稿者 masato : 14:37 | コメント (0)

2008年02月17日

東アジア選手権 北朝鮮戦

久しぶりに代表の試合を90分観たという感じ。世の中でも代表離れは言われていて、多くのメディアはその原因をスター選手の不在としているが、僕自身の代表離れは何が原因なのだろう、と考えてみた。

別に僕にとっての魅力的な選手が今の日本代表にいないわけではない、山瀬、阿部などのように、冷静さを常に失わず、それでいて勝利への執着心が感じられる選手はかなり好きな選手である。やはり原因は、価値観を押し付ける(視聴者の気持ちを操作しようとする)その中継手法にあるのだと思う。

誰でも同じだと思うが、やはりスポーツとは、起きていることをストレートに受け止めるべきものだと思う。例えば今回の試合で言えば、北朝鮮の選手でもうまい人はうまいと認めたいし、審判の判定が偏っているか否かも自分で判断したい。にもかかわらず、大してすごくないプレーを「スーパープレー」と押し付けたり、微妙な判定を「完全アウェイ」やら「反日感情」と結びつけて視聴者を煽る風潮がたまらないのだ。アナウンサーは必要な情報だけを読み上げて、感想は一切言わない。個人的にはそれが理想のスポーツ中継だと思うのだ。

さて、で、久しぶりに民放でサッカーを観たが、さすがに亀田騒ぎでTBSは反省したのか、以前ほど極端に意図的なアナウンスはなかったような気がする。決して耳障りな点がなかったわけでもなく、日本の同点ゴールの時のアナウンスはやや叫び過ぎな気もしたが、それでもこの程度なら許せるかな。という範囲におさまっていた。

一応試合の感想も書くと、さすがに経験不足という感はあったし、パスミスもところどころで目に付いたが、シュート、パス、ドリブルの選択が程よい気がして、あまりストレスを感じなかった。ここ最近の代表の試合は、「エレガントだけどハートフルさに欠ける」と松木さんも言っていたように、どうもミドルシュートが少なかったり、ドリブルでの仕掛けが少なかったりと、いらいらさせられていたが、そういう後味の悪さを今日は感じることがなかった。その辺のリズムをつくっていたのが、羽生、遠藤だろう。

右サイドの内田(アントラーズ)も今日の仕掛けは良かった。今日で代表4試合目ぐらいだろうか、ようやく硬さが取れて本来の持ち味を出してきたといった印象。一方で同点のアシストをした左サイドの安田(ガンバ)はこの辺が関西人の長所なのか、最初から持ち味をがんがんに出せていた感じ。彼の左縦突破の前の右跨ぎはもはやディフェンスを逆へ動かすためのフェイントというよりは自らのリズムのためのフェイントといった印象。(あのタイミングで右に跨いでもディフェンスが引っかかる理由はないし)。ロナウドの右跨ぎと同じような役割を担っているのだろう。

とりあえず経験の少ないこのメンバーでこの結果ならそれほど悲観することもないのではないかな。とはいえ今回も優勝は無理っぽい気がするが。

投稿者 masato : 21:32 | コメント (0)

2008年01月01日

ベッカムのロングパス

ベッカムは素人好みなのか玄人好みなのか。どちらともいえるだろう。言い換えるならサッカーのファン層の真ん中、つまりサッカーを少しかじっている人間のみが「ベッカムなど顔だけで大した選手ではない」と言うのだ。確かにドリブルはメッシやC・ロナウドの方が上だし、ボールタッチはジダンやベルカンプの足元にも及ばない。ただ、右足のロングフィードはやはり超一級品である。

「サッカーが巧い」という言葉の定義とはなかなかむずかしいものだが、「勝利への貢献度の高さ」=「サッカーの巧さ」とするなら、やはりベッカムは巧い。ハーフウェイライン付近から常に高い確率で前線へピンポイントのパスが送れる。これは、将棋で言うところの、障害物を気にしない「飛車」や「角」といったところだろうか。そのパスをシュートに持っていける受け手さえいればとてつもなく恐ろしい武器である。

個人的に好きなのは4:00ぐらいにある、ユベントス戦のベッカム→ファンニステルローイライン。この映像だけだとわかりにくいが、この時点でで試合1-0の膠着状態。中盤でのボールの奪い合いが続き点の入りそうな気配がまったくなかった。それだけに衝撃的な、まさに世界的な出し手のベッカムと同じく世界的な受け手のファンニステルローイの組み合わせでしかできなかった芸当である。

投稿者 masato : 12:20 | コメント (0)