2007年10月20日

右脳の育て方

論理的な思考を司る左脳、直感的な思考を司る右脳。右脳と左脳をバランスよく使える人間が、より世の中に多くの楽しみを見出せると常々感じている。ただし、これは先天的なものではないと聞く。誰しも幼い頃は右脳が発達し、歳を取るに従い左脳を主とした思考に切り替わっていくのだそうだ。

さて、そうすると思い出されるのが、僕の小学生低学年の頃の体験である。図工の授業で、絵の具を持って校庭へ出て絵を描く課題を与えられたときのこと。大した対象物もなかったから、みんな季節外れの桜の木を描いていた。そして、その授業の終わりが近づいて教室に戻ってみんなの絵を見たとき、桜の幹の色を灰色で塗ったのが自分だけだったことを知った。他の生徒たちはというと、桜の幹を茶色に塗っていたのである。ちなみに、今でも僕の中のその色の認識は変わらない。「桜の幹の色は何色?」と尋ねられて、名のある色のどれかを挙げなければならないなら、やはり「灰色」もしくは「グレー」と答えるだろう。

何が言いたいかというと、小学生低学年ですら、すでに大部分の生徒が「木は茶色」という論理的思考を当然のように持っていたということである。芸術の分野において、論理的思考は時に大きな妨げとなるらしい。例えば、人物画を描く際に「鼻は2つの目の中心の真下にある」といった論理的思考を介在させる限り、上手い絵はかけないだろう。なぜなら、確かに鼻は目の中心の下にあるのだが、それは正面を向いているときに限ることで、対象の人物が真正面を向いていることなど稀である。

話が少しずれたが、小学校時代の体験の話に戻ると、結局、右脳よりの思考から左脳よりの思考へ切り替わる転換期は、実は小学生よりもっと前の幼少期にあるらしいということだ。

そうなると芸術的感性をの豊かな子供を育てたいと考えている世の親たちは実は、もっと子育てに注意すべきなのかもしれない。少なくとも子供と過ごすお絵かきの時間に、勝手にクレヨンを差し出して、「空は青」、「太陽は黄色か赤」、「葉は緑」、「木は茶色」、などといった、右脳的思考を妨げる概念を不用意に植えつけるべきではないのだろう。

投稿者 masato : 2007年10月20日 22:35
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