GoogleがYouTube買収を正式発表した。今後GoogleがYouTubeで問題視されている著作権についてどのように対応するか注目するところである。
ところでYouTubeにアップされている日本の動画に対して、日本の民放各局は今年の春頃からYouTubeに削除依頼をする動きが活発になった。特に対応が早かったのはフジテレビ、そしてその流れは僕の知る限りTBS、テレビ東京などその他の民放各局へと広がっていった。もちろん削除するのは「著作権の保護」が理由なのだが、はたしてYouTubeに動画がアップされることは著作権保持者の利益を損ねているのだろうか。
ここで現在のYouTubeの機能について整理しておく。YouTubeの利用者は320ピクセル×240ピクセルの最長10分間(ディレクターアカウントなら10分以上も可能)の動画を自由にアップして公開することができる。YouTubeは家庭用のビデオ映像公開用と謳ってはいるが、実際には利用者がお気に入りの映画や番組などを録画して、その映像を公開することが多い。
そのため海外在住の日本人にとってはYouTubeは日本の番組を見るためには欠かせない存在のようだ。また台湾の利用者が漢字の字幕(何語だかわからないが)のついた日本のドラマを多数公開しているのを何度も見ているし、スペインの利用者が英語字幕の日本のドラマやアニメなどを公開しているのも知っている。わざわざ好きでもない動画を手間をかけてアップする人などいないのだから、日本のドラマやアニメが海外の人によって公開されているのは嬉しい限りである。つまり見方を変えれば、現在のYouTubeは「いい動画はいいモノ」として世界中に広める手助けをしているのではないだろうか。さらにYouTubeには320ピクセル×240ピクセルというサイズの制限が設けてある。本当に気に入った動画であればやはりフルサイズで見たいと思うだろう。YouTubeの動画がビデオやDVDの販売促進に一役買っていると考えることもできるのではないだろうか。
もし現在のYouTubeに「明らかに問題」という箇所があるとすれば、それは純粋に音楽だけを楽しむ利用者の扱いではないだろうか。動画にはサイズの制限があるが、音声には制限がない。つまり音楽だけを楽しもうとする利用者は好きなアーティストの音楽を何度でも無料で聴くことができるのである。こればかりはさすがに著作権保持者の利益を損ねているとしか言えないだろう。ではどのようにすればいいか。これは僕が考える一つの案であるが、利用者には必ず本人のアカウントでログインをさせて、同じ利用者が同じ動画を再生できる回数を10回ほどに制限してはどうだろうか。そうすればお気に入りの音楽をYouTube上で見つけて、何度でも繰り返しその曲を聴きたいと思った利用者はCDの購入に踏み切るのではないだろうか。
さて、ここまでYouTubeを擁護する意見ばかりを並べてきたが、別に「著作権保持者の不利益」を完全に否定しているわけではない。しかし、高速回線の普及とGoogleの買収による知名度のアップで、今後利用者はさらに増えることだろう。そうなったら、著作権保持者がYouTubeにアップされている動画を一つ一つチェックして自らの著作権を侵害しているものがないか確認するのは限界があるし、同様にYouTubeの削除対応にもいつか限界が来るだろう。つまりYouTubeによって世界のスタンダードになりつつある動画共有の流れは、例えそれが著作権を侵害していようとも止められないと思うのだ。だからこそ「著作権侵害」を訴える企業はいつまでも動画の削除に固執せずに、YouTubeの長所を利用する方向へ目を向けるべきではないだろうか。9月にいち早くYouTubeと提携したワーナーミュージックの動きは世の中の流れを見据えた英断と言えるだろう。
投稿者 masato : 2006年10月16日 10:31


