2005年06月02日

記憶の断片

幼いころの記憶で抜け落ちている部分を探して調べてみると、実は驚くべき真実が隠されていた・・・というのはドラマや漫画や小説などで意外とよく使われる話。幼い頃などその事実を受け止められるだけの精神力を持ち合わせていないため、脳が自分を守るためにその記憶を封印することから起きる。というのが「記憶が抜け落ち」の一般的な説明である。

実はこれって、「幼い頃のことは覚えてない」と片付けているだけで意外と多くの人の中で起こっている出来事なのではないか。最近そう思うのである。
というのも、僕には幼い頃の記憶の断片で気になるものが2つある。

1つ目はこんな断片だ・・

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父の運営する小さな会社の駐車場。そこに停めたクルマの中の助手席に僕は座っている。
父はクルマの外に降りて、後部座席からなにか大きな荷物を取りだそうとしている。

ところが後部座席にはドアロックがかかっていて、助手席のドアを開けたことによる10センチ程の隙間から手を伸ばして、父は後部座席のドアロックを上げようとしている。ドアも窓もすべて手動の時代である。

「今、ドア閉めちゃ駄目だよ」父はやさしく僕に声をかける。

言われなければなんとも思わないのに
「じゃ閉めちゃおっかな〜」といういたずら心が僕の心に芽生える・・・

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そこで1つ目の断片は終わる。そして、もう1つはこんな断片だ


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その日もいつもと同じように家族で会社に行く父を送り出す。
クルマの鍵をジャラジャラ鳴らしながら、グレーのジャンパーを羽織る父の左手の中指と人差し指に、包帯とその隙間からはみ出た添え木が見える・・・

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2つの断片のつじつまを合わせると・・・う〜〜ん、結論はほかには考えられない。
しかし責められた覚えも、怒られた覚えもない。
確かに責められもせず、怒られもせずに、父が我慢して黙っていたということも考えられなくはないが、ひょっとしたら僕自身がその記憶を封印したのかもしれない、なんて思ったりもするのだ。
4,5年ほど前に急に思い出して、今でも1ヶ月に1度くらい頭をよぎる、「いつか直接聞いてみよう」と。しかし実家に帰ったときにはだいたい忘れてるんだな・・


【ついでに・・・】
失われた記憶を探していく物語、結構あると思うのだがぱっと頭に浮かんだのをあげると次の2つ。

内田康夫「記憶の中の殺人」
東野圭吾「むかし僕が死んだ家」

どちらもおすすめです。
ほかにも誰かご存知でしたら教えてほしいな。

投稿者 masato : 2005年06月02日 02:12
コメント

真っ先にこれを思い浮かべました・・・

『奇跡の人』真保 裕一 (著)
新潮文庫
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4101270228/249-4866875-3433950

オススメしてみます。

Posted by: ユージィ : 2005年06月03日 14:40


あ〜!あったあった、
しかも俺も読んでるし・・

それで思い出した、宮部みゆきの「レベル7」を忘れちゃいかんね。

Posted by: masato : 2005年06月03日 15:04
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