どこから入ってきたのかわからないが、気が付くと部屋の壁をてんとう虫が歩いていた。しばらくすると案の定、部屋のライトのまわりを飛びはじめた。コツコツと電気に当たる音が響く。しばらくして静かになったと思って上を見たら、ライトの中で動く塊(かたまり)が見えた。そとから見てもまだ飛ぼうとしているのがわかる。「もう出れないだろうな。」と思いつつ、ライトのカバーをはずしてまで一匹の虫を救うような優しさを持ち合わせてはいない。1時間後、動かなくなった塊(かたまり)がライトの中に見える。人間界に入ってきた虫のよくある最期である。
ところで、人間界にはフリーターが溢れているという。終身雇用が少しづつなくなってきたこともあるし、企業側がアルバイトや派遣社員という形を好むようになったためだろう。転職を繰り返す生活を送っていると、フリーターとも仕事をともにすることがある。彼等には彼等なりの考えがあって、その多くは仕事にも妥協したくないため、自分の理想といえる仕事の形を求めているように見える。しかし、理想をもとめて突き進みすぎて、やり直しの効かなくなっていることもあるかもしれない。30過ぎたころ社員として雇ってもらおうとしても、技術がなければなかなかそうも行かない。それが、光を追い続けて抜けだせなくなったてんとう虫と重なって見えた。少し横を見れば別の生き方があるというのに。自分らしく生きて行くのに必要なのは広い視野を持つことなのだ。
投稿者 masato : 2004年05月21日 13:27 | トラックバック(0)


