「Language of Flowers」Vanessa Diffenbaugh

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
孤児として育ったVictoriaはいままでどんな里親の元でも一緒に暮らす事を拒んできた。10歳になったVictoriaはElizabethというワイン農場の元で生活するようになるが…。そして18歳の今。
18歳になって一人で生きていく事になったVictoriaと、10歳でElizabethと会ったときの様子が交互に展開していく。なぜ今も一人で生きているのか、一体10歳でElizabethと出会ってその後何が起こったのか、そんな間の8年間に対する疑問が、ページをめくるにしたがって少しずつ埋まっていく。
本作品の魅力は、そのタイトルからも分かる通り、Victoriaの花と花言葉に対する思い入れの強さである。しかし、彼女の花に対する情熱もまた、その10歳当時の彼女のElizabethとの生活から来ているのである。
花言葉は、辞書や時代によって意味が異なり、ときには一つの花が矛盾する2つ以上の意味を持つ事もあるのだという。Victoriaはたくさんの花言葉の辞書をつきあわせて、どれがもっともその花にふさわしいか議論し、自らの一冊の辞書を作っていくのである。
そして、そんな花に対する思い入れの強さが、彼女の周囲を少しずつ変えていく。住居、仕事、恋人、そして過去。孤児として育った故に、自らを無価値な人間と蔑むVictoriaが次第に自らの価値を見つけ生き方を見つけていくのが面白い。
本作品を読んだ人はきっと花言葉に興味を持つだろう。

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