ゆいかわけいの最近のブログ記事

オススメ度 ★★★★☆ 4/5
人を殺して警察に追われる身となった並木響子(なみききょうこ)42才と、暴力団に追われる道田(みちだ)ユミ19才の二人は偶然の出会いから一緒に逃亡をすることになった。とそんな唯川恵らしくないストーリーが展開していく。
非日常的な2人の行動が普段の生活では感じない多くのことを考えさせてくれる。特に、ユミのひねくれながらも本質を見極めた物事の感じ方が印象的である。

言っておくけど、この国のやつらはみんな貧乏だよ。モノがいっぱいあるってことは何もないことと同じなの。シャネルもグッチもプラダもあるのに、そこら辺で売っている安物の財布を持てる?

また、登場人物の一人である弁護士の皆川久美子(みながわくみこ)が響子(きょうこ)に向けて言う言葉も心に残る

このまま引き下がってはますますそういう男をのさばらすばかりです。弁護士らしくない発言だと言われてしまいそうですが、判決だけが目的ではない戦いがあってもいいのではないかと思っています。

最後の「解説」のページで書評家が、「この本は『買い』だ」と書いている。激しく同意する。特に古本屋で250円で買った僕にとっては。250円では十分すぎるくらい僕の心に変化を与えてくれた。

蛇頭(じゃとう)
中国から日本や米国等の外国への密入国をビジネスとして行う密航請負組織のこと。欧米では「スネークヘッド」と呼ばれる。

じゃぱゆきさん
歌手・ダンサー等の資格を持って日本に入国し、実際にはクラブ・パブ等でホステスとして働いた(働かされた)経験を持つフィリピーナのこと

からゆきさん
明治、大正、昭和のはじめに貧しさのために東南アジアの娼館に売られていった女性たちのこと

【Amazon.co.jp】「刹那に似てせつなく」

オススメ度 ★★★★☆ 4/5
第126回直木賞受賞作品。

欲しい者は欲しい、人の男を奪う事をなんとも思わないるり子。そして、仕事も恋も常にブレーキがかかって、理屈抜きでは楽しめないクールな萌。この二人は親友でありながら性格は正反対。そんな二人の仕事や恋や友情がこの物語の中では展開していく。

僕自身はどちらかと言えば萌に似ている。極端な言い方をすれば誰も信用しないし、すべて自分で解決するという生き方である。それでも、自分が幸せになるためには同性に嫌われようが構わないというるり子の生き方も少し爽快に感じる。僕自身はそんな女性を今まで軽蔑していたが、ある意味、もっとも自分に素直な生き方なのかもしれない。そう思わせてくれた。

きっと萌のような生き方をしている人はるり子のような生き方に、るり子のような生き方をしている人は萌のような生き方に、多少なりとも憧れているのだろう。

るり子の言ったこんなセリフが印象的である

「不幸になることを考えるのは現実で、幸せになることを考えるのは幻想なの?」

確かに一般的にはそうかもしれない。そう考えると、みんなの言う「現実」ってなんなんだろう。


【Amazon.co.jp】「肩ごしの恋人」

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