センディル・ムッライナタンの最近のブログ記事

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
「時間がない」というのは僕自信つねに感じていること。世の中の多くの能力は、お金よりも時間によって獲得できる事が多い。そんな時間の必要性を常に感じている僕にとってなにかしらヒントになる内容が含まれていればいいと思い本書を手に取った。

残念ながら本書が扱っているのは「時間がない」人向けとは少々異なる。

序盤は欠乏が生み出すメリットとデメリットについて語る。メリットは恐らく誰しも身に覚えがあるだろう。本書で「集中ボーナス」と呼ばれる物である。人は時間が少なければ残された時間を最大限に使おうとするし、貧乏であれば買うものすべての高い安いを常に意識しながら買い物をするのである。その一方で欠乏にはデメリットもある。本書で「トンネリング」と読んでいるもので、目の前のもの以外に注意が向かなくなる視野狭窄のことである。

著者はこの欠乏が生み出す「集中ボーナス」と「トンネリング」によって世の中の多くのことを説明して行く。ローン地獄から抜け出せない貧しい人々の話がもっともわかりやすい例だろう。

そして、後半は、欠乏のデメリットに対処するための「スラック」の重要性である。「スラック」とは「余裕」というような言葉で表現されるもの。わかりやすい説明として、オフィスで1日の大部分をネットサーフィンを過ごしているアシスタントを挙げている。ここでよくやりがちな間違いは、その人物が1日忙しく働くように業務を割り振る事である。それによって、今までであれば周囲の人間はいざという時にその人物に仕事をふることができたのに、そのような突発的な業務を受け入れる先(つまりスラック)がなくなってしまったため、すべての人の業務が悪循環に陥っていくのである。

人がスラックをつくらないのは、いまやらなくてはならないことに集中し、将来起こりうるあらゆることを十分に考えないからだ。いま現在ははっきりと間近に迫っているが、将来の不足の事態は緊急度が低く、想像するのが難しい。漠然とした将来を目の前にある現在と突き合わせると、スラックはぜいたくに感じられる。

同じくスラックの考えを利用した事例として、30の手術室がフル稼働する病院を例にあげている。30の手術室は常に手術の予定でいっぱいなのだが、急患を受け入れなければならない。しかしそれを受け入れる事によってすべての手術の予定が崩れ、医師たちは深夜まで働く事を余儀なくされるのである。この問題を解決した手法は1つ手術室を常に開けておくこと、つまりスラックを作る事である。

本書を読むと、いつもひまそうにしている会社の事務員も、組織に必要なんだと思えてくる。

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