にしみずみえこの最近のブログ記事

オススメ度 ★★★★☆ 4/5
元世界銀行副総裁である著者が貧困と戦った日々を語る。

僕らは貧困という言葉を聞いたときどのようなイメージを持つだろうか。もちろん貧困がなくなるといいと思うし、ただお金を分け与えるだけではそれは解決しない事も分かっているし、世界から貧困を無くすためには多くの超えなければならない生涯があることも知っているだろう。しかし、僕らが知っているのはそれだけである。多くの人が貧困がなくなればいいとは思いながらも自分の人生に大きな影響を与えるほどの行動はできない。または行動力のある人でも実際に現地に行って数年の支援活動に参加する程度なのであろう。

本書の西水美恵子はそのどちらでもない、その立場多くの国の政策に影響を与える権力者達と貧困解決の方法を探り、時には彼らの態度を叱咤し、大きなレベルで貧困を解決しようとする世界を走り回る一方で、常に現地の人たちと交流しその実情を知ろう努力するのである。

そんな彼女が常に立ち返る思い出がある。

カイロ郊外の路地で、ひとりの幼女に出会った。ナディアという名のその子を、看護に疲れきった母親から抱きとったとたん羽毛のような軽さにどきっとした。ナディアは、私に抱かれたまま、静かに息をひきとった...。誰の神様でもいいから、ぶん殴りたかった。天を仰いで、まわりを見回した途端、ナディアを殺した化け物を見た。きらびやかな都会がそこにある。最先端をいく技術と、優秀な才能と、膨大な富が溢れる都会がある。

自然にナディアが仕事の尺度になった。何をしてもナディアに問うのが習慣になった。「生きていたら喜んでくれるかしら。あなたを幸せにできるかしら...」

本書のなかに登場する多くの権力者たちは、西水美恵子の視点によって、また報道などで見聞きするのとは違った印象を与えてくれる。真実には多方面の視点から物事を見つめる事によってのみ近づく事ができる、ということは改めて感じる。

世界をよくするために何ができるか。本書では、そんな理想を、理想として終わらせない生き方が見えてくる。きっと何か行動を起こしたくなるだろう。

【楽天ブックス】「国をつくるという仕事」

オススメ度 ★★★★☆ 4/5
世界銀行副総裁として途上国の貧困と闘う著者が、これまでの経験を語る。

著者の人生を変えた瞬間を語った冒頭の章がもっとも印象的である。パキスタンの離村にホームステイに行った時の経験だそうだ。

「くる日もくる日も、同じことの繰り返し。気が狂ってしまうかと思う時さえある。
これは人間が営む生活ではない。動物のように、ただ体を動かしているだけ......
夢はただひとつ。
子供達が教育を受けて、こんな生活を繰り返さないように。けれど、それさえかなわない。
自分が病気になったら皆飢え死にする。
それが恐ろしい......」

あのとき、本気にスイッチが入ったのだと思う。自分という洋服を、それまで裏返しに着ていたようなあの感触は、今でも体に残っている。

人の人生を変えるきっかけはいろんな世界を見る努力を続けなていないと訪れないのだと改めて思った。その他にも、日本という枠にとらわれることなく活動する著者の視点からの新鮮な言葉や経験で溢れている。また、本書では何度もブータンについて触れられており、著者自身ブータンという国に非常に魅力を感じているのが伝わってくる。

何をすべきかではなく、すべきことをどう捉えるか。この違いが、組織を動かし、社会を変え、人の命さえをも救う......

自分の使命をしっかり意識してそれに向かって生きる姿が羨ましい。引き続き著者西水美恵子氏の他の本も読んでみたいと思った。

読みたくなった本
・「日本でいちばん大切にしたい会社」

【楽天ブックス】「あなたの中のリーダーへ」

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