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オススメ度 ★★★★☆ 4/5
著者は紛争地帯で平和のために武装解除の手助けをしている。本書ではそのきっかけと、これまでの仕事の内容やそこで直面する問題について語っている。

そもそも「武装解除」がなぜ職業になるのか、武装解除になぜ手助けが必要か、普通の生活をしている人にはその部分がわからないのではないだろうか。

紛争地帯だった場所では紛争が終わっても、長い間武装して戦争をしていた人たちは働くための知識や技術を持たないため、平和な社会で生きる術がない。しかし手元には相変わらず武器が残っているから、彼らは再び武器を手に取ろうとする。そういう人々が大勢いる限りその国はいつまでたっても平和にならないというのである。著者が職業として言う「武装解除」はそんな長年戦闘に明け暮れて教育も受けてない人々に、武器と引き換えに教育や援助を与え平和な社会に適応させることなのである。

著者は高校のときに見た報道写真を見たことをきっかけに、世界を飛び回るようになったのだ。ルワンダ、アフガニスタン、コートジボアール、シエラネオネなどアフリカを中心に活動しており、本書ではそんななかでの経験の一部を紹介しているのだが、もちろん生死の境で生きてきた人々を、裕福な国から訪れた女性が簡単に説得できるはずもなく、そこでは多くの問題が生じる。

要は、若造の私には、彼らの問題を解決するスキルが何もなかったのだ。好奇心だけで人々の心のなかを土足で踏み荒らした挙げ句、「良いことをした」と自己満足して帰国しようとしていた。
皆が手を取り合って仲良しでなくても、殺し合わずに共存できている状態であれば、それもひとつの「平和」の形であり得る。
犯罪に問われる恐れがあるのに武装解除や和平に応じるお人好しはいない。和平合意の際は、武装勢力が武器を手放して兵士を辞めることと引き換えに無罪にすると明記される。平和とは、時に残酷なトレードオフのうえで成り立っている。
日本は、原爆まで落とされて、ボロボロになったんだろう?なのに、今は世界有数の経済大国で、この国にも日本車が溢れているし、高級な電化製品はすべて日本製だ。どうしたら、そうやって復興できるのか、教えてくれないか?

生死の危険に隣り合わせの場所で、著者の直面する現実や葛藤はどれも新鮮である。

世界のありかただけでなく、著者の選んだ生き方と行動力に触れることで、自らの生き方まで見つめ直すきっかけになるだろう。

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