新書の最近のブログ記事

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
書道家である著者が「書」について語る。

コンピューターが世の中に浸透し、文字を書く機会は本当に少なくなった。そのせいか、文字を書く事が嫌いな人は多い。実際、自分の書く文字が嫌いな人も多いという。僕自身もそんな一人で、特に字が汚いわけでもなく、むしろ「字がキレイ」と言われる事のほうが多いのだが、どうしても自分の書く字が好きになれない。本書はそんな人に、字に対して新しい考え方を与えてくれるだろう。

字がうまくなる方法として「下手な字競争」を紹介している。その名のとおり下手な字を書こうと努めるのだが、どうやったら下手に見えるか、という視点に立って字を眺める事に良って、より深い考察をすることができるという。また、お手本通りに書くという学校での書道の授業に異を唱えている。なぜなら同じ人物が書いたとしても二度と同じ文字は書けないのだそうだ。

その他にも中国や日本の歴史的な書を紹介している。有名な書のなかにも読みやすいものもあれば読みにくいものもあり、そこから伝わってくるのは、文字に正解はないということ。服装や姿勢や髪型などと同じように、文字もその人の個性を表すものなのだろう。

改めて文字というものと向き合ってみたくさせてくれる一冊。

【楽天ブックス】「「書」を書く愉しみ」

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
ガンバ大阪の遠藤保仁(えんどうやすひと)、FCバルセロナのシャビ。強いシュートを打つわけでもなく、驚くような鋭いパスを放つわけでもない彼らだがそれぞれのチームの中心人物と評価されている。彼らのどんなプレーがすごいのかを、彼らがときどき出す弱いパスを中心に解説する。

正直サッカーを何年もプレーした事がある人にとってはそんなに新しい内容ではないだろう。遠藤やシャビほど計算し尽くしてはいなくても無意識にやっていることかもしれない。それでもこうやって言葉にしていくつかの例とともに説明されると改めていろいろ戦術というものについて考えるだろう。

また、本書では遠藤(えんどう)のプレーに対して、一緒にプレーした事のある他のプレーヤーの意見も書かれている。そこで語られるのは意図を感じさせるパス。パスカットされる可能性があれば出さないという相手ゴール付近であっても出さないという選択、サイドチェンジの効果などである。いずれも賛否両論あるとはいえ、何事もそうだがパス一本とっても極めようとすればいくらでも上がある、ということを再認識させられる。

サッカーを知らない人にとっても、これからサッカーをテレビなどで観戦する際の助けとなるだろう。

【楽天ブックス】「なぜボランチはムダなパスを出すのか?」

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
元日本代表監督のイビチャ・オシムが南アフリカワールドカップの日本代表を振り返る。

日本は南アフリカワールドカップの予選リーグでカメルーン、オランダ、デンマークと戦い、最終的に決勝トーナメント1回戦でパラグアイに破れて大会を後にした。今まで多くの雑誌やメディア、テレビ番組でこの4試合について語られてきたが、やはり経験豊かな監督の目線は異なる。負けた試合はもちろん、勝った試合についても良くなかった点や改善方法を示してくれる。

オシムに言わせると、パラグアイは決勝トーナメントに残った16チームのなかでもっとも勝ちやすい相手だったという。前回大会のトルコと動揺、相手にめぐまれたにも関わらずベスト8に進めなかった事を嘆く。孤立してしまった本田をどうすれば機能させることができたのか。選手の間に「引き分けでもいい」という考えがあったのではないか、などである。

そして日本代表だけでなくその他の印象に残ったチームや選手についても語っている。スペイン、オランダはもちろん、予想外に終わったブラジルやイタリア。すばらしい活躍をしたウルグアイのフォルランなどである。本書を読むと改めて、オシムの視点で試合を見直したくなる。

また、サッカー界の流れについても語る。スペインの優勝がサッカー界にもたらすもの。モウリーニョ主義への懸念、日本サッカーの向かうべき方向など、本書によってまたサッカーが1つ深く見れるようになるのではないだろうか。

【楽天ブックス】「恐れるな! なぜ日本はベスト16で終わったのか?」

オススメ度 ★★☆☆☆ 2/5
学習塾SEG(Scientific Education Group)で英語の多読を勧める著者が英語の上達における多読の有効性を語る。

基本的に本書で述べられているのは、ある程度の単語を覚えたら、ひたすら英語を多読することが英語上達への近道ということである。そして重要なのはその多読のためにレベルに合った本を選ぶことなのだという。過去の生徒たちの成績をもとに、その根拠を説明する。

そしてよくある多くの反論、例えば、「理解できない単語は何度読んでも、辞書で調べない限り理解できない」など、に答えていく。著者が言うには、繰り返し出てくる単語はその前後の文脈から意味を想像できるし、むしろ大事なのは、辞書をひくことによって読書のスピードが落ちるのを避ける事なのだという。しかし、著者が強調しているのは、多読は有効だが決して万能ではないということ。発音をよくするためには当然音声を使ったシャドイングなどの練習も必要だと言う。

本書ではレベル別にいくつかオススメの本が掲載されているので、英語の多読に挑戦したいと思っているひとには助けになるかもしれない。残念ながらすでに英語で普通に読書を楽しんでいる人にとってはあまり役に立つ内容ではなかった。内容についてもやや冗長な部分もあるように感じた。

【楽天ブックス】「英語多読法 やさしい本で始めれば使える英語は必ず身につく」

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
最近メディアでよく見かける「ウィキリークスス」という名前。何やらあまり評判がよくないらしいが、一体どんな理念で、どんな活動をしていて、何をしたがゆえに現在ほど議論の的となったのか。

日本のメディアはなぜか海外メディアはほど注目していないが、非常に興味深いものである。本書ではウィキリークスの過去の活動とその活動に対する批判の内容を丁寧に解説している。

そこからいくつか面白いことが浮かび上がってくる。例えばウィキリークスに限ったことではないが、機密情報をリークされた側が、その相手に対して訴訟を起こすということはよくある話だが、結果的にはむしろ訴訟を起こすことで、漏れた情報に対して世間の注目を集め、またその情報が真実であることを世間に知らしめてしまうということ。そして、一度ネット上に公開された情報はそのサーバが閉鎖されたとしてもコピーされて永遠にネット上に存在し続けてしまうということだ。本書でも言っているようにウィキリークスのやっていることはそんなネット上の特性を最大限に利用しているのである。

だからこそウィキリークスの理念が重要になってくる。一体ウィキリークス集まった情報から、どれを公開すべきか、一体どのような考えによって決断しているのか。本書では過去の大きな情報リーク事件を解説しながら、国益とは何か、公益とは何か、正義とは何か、といった部分まで論じている。

すでに多くの人が知っているとおり、正義とは視点によって異なるもので絶対的なものではない。国益とはについても、もはやウィキリークスは単にサーバーが一時的にどこかの国に属しているだけで実質的にどの国にも属していない、などその特異なる点にも触れている。

後半部分はややわかりにくい観念的な話になってしまったが、前半部分は非常に密度の濃い内容であった。 印象的なのは終盤に書かれたウィキリークスの方針について述べた言葉。

ウィキリークスが揺れ動いているのはこの2つの解釈の可能性の間だ。 「正義は行われよ、たとえ世界が滅びようとも」 「正義は行われよ、世界が滅びないように」

本来リアルタイムで注目を集めるべき事象ながらもやはり英語圏ではない日本メディアの取り上げ方は一テンポ遅れてしまうのが残念なところ。翻訳された情報はやはりリアル感が乏しい。

【楽天ブックス】「日本人が知らないウィキリークス」

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
文字を持たないゆえに謎に包まれたインカ帝国。その歴史とそこでの生活、文化などを何年もアンデスに通い続けた著者が語る。

インカ帝国の謎の一つに、なぜそんなにも高地に彼らは文明を築いたのか、というものがあり、その点に対して非常にわかりやすく説明している。

海抜4000メートル前後の高地でも人間の暮らしを可能にした要因のひとつは、やはりそこが低緯度地帯にあることが大きい。低緯度違いであるために、富士山の頂上ほどの高地でも気候は1年をとおして比較的温暖なのである。

印象的だったのがその異形のものを崇拝する文化である。アンデスではじゃがいもやトウモロコシなどの収穫物だけに限らず、兎唇や斜視や双子など人間に対しても希少な存在を敬う文化が根付いているという。いじめや差別の起こる現代社会をみるとそれはむしろ非常に望ましい文化のようにさえ思える。

終盤では、その滅亡の謎に迫る。なぜこれだけ永きにわたって繁栄した文明が、スペイン人の侵攻によってあっさりと滅んでしまったのか。筆者はそこに事実と経験に基づいて推測を語っている。それは異形なものを崇拝する文化にかかわるものであった。

タイトルから期待した「謎」というよりも、しっかりとした調査によって得られた事実に近いことが説明されていて、あまり面白い、とお勧めできるものではないが、インカ帝国について純粋に理解を深めたい人にはお勧めできる内容である。

【楽天ブックス】「天空の帝国インカ その謎に挑む」

オススメ度 ★★☆☆☆ 2/5
そもそも「哲学」という分野にあまり今まで目を向けていなかった。と突然思い立って手に取った。本書はまさにそんな「哲学って何?」というような人向けの内容で、著者は哲学の必要性を訴え続ける。

世の中にはどうしても「哲学か科学か」というように、二者択一を迫るような風潮があるが、著者自身も決して科学を否定しているわけではなく、例えば、何か目的があって、それを達成する手段が科学であり、何を目的とするか、が哲学であると語る。つまり哲学とは「価値観」なのである。

「哲学」と言うと、少し距離を置いてしまう人も「価値観」と聞くと、それは誰しもが持っているもの、として身近に感じられるのではないだろうか。

なかなか回りくどく複雑な説明が多く、なかなか理解しやすい本ではなかったが、興味深い話もいくつか拾うことができた。もう少しコンパクトにして、重要な部分をわかりやすく書くこともできたのではないかと思える内容。

【楽天ブックス】「哲学のすすめ」

オススメ度 ★★★★☆ 4/5
ギャラリストである著者がその経験のなかから得た知識をもとに、現代アートについて語る。アーティストたちはどうやって有名になっていくのか、展覧会はどうやって開かれるのか、アートの値段はどうやって決まるのか、など、どこか敷居の高い世界、として距離を置いてしまうような空気のある現代アートについて、非常にわかりやすく解説している。

個人的に面白かったのは第3章の「アートの価値はどう決まる」である。世の中に最初に出たときの値段であるプライマリープライス、そしてオークションや売買などを経て変化するセカンダリープライス。と、アートの値段の決まり方を示してくれる。

そのほかにも、村上隆と奈良美智とのエピソードや海外のアート事情など、どれも興味を掻き立ててくれるだろう。そして、全体を通じて、現代アートをビジネスとしてだけでなく、作品、アーティスト、業界全体含めて「温かく育てていこう」という著者のアートに対する思いが伝わってくる。

アートは「商品」である前に、「作品」です。世界に一点しか存在しない。工業製品のように大量生産ができるわけでもないのです。作品には生身の人間が関わっているからこそ、アートは高額商品となり得るのです。

「ちょっとギャラリーを訪れてみようかな」と思わせる一冊である。

サザビーズ
現在も操業する世界最古の国際競売会社。インターネット上でオークションを開催した世界初の美術品オークションハウスでもある。(Wikipedia「サザビーズ」

クリスティーズ
世界中で知られているオークションハウス(競売会社)。ライバル社であるサザビーズと比べ、より大きな市場占有率を幾年にも渡って保持してきており、収益からみるとクリスティーズ社は現在、世界で最も規模の大きいオークションハウスである。(Wikipedia「クリスティーズ」

ジュリアン・オピー
イギリスの現代美術家である。シンプルな点と線による独特な顔を生み出し、世界の名だたる美術館に作品が貯蔵されている。(Wikipedia「ジュリアン・オピー」

キース・へリング
ストリートアートの先駆者とも呼べる画家で、1980年代アメリカの代表的芸術家として知られる。シンプルな線と色とで構成された彼の絵は日本でも人気があり、キースの作品をプリントしたTシャツがユニクロなどから販売されるなど広く知られている。(Wikipedia「キース・ヘリング」

ジャン=ミッシェル・バスキア
ニューヨーク市ブルックリンで生まれたアメリカの画家。1983年にはアンディ・ウォーホールと知り合い、作品を共同制作するようにもなる。(Wikipedia「ジャン=ミシェル・バスキア」

参考サイト
Julian Opie |
Keith Haring
Tomio Koyama Gallery 小山登美夫ギャラリー

【楽天ブックス】「現代アートビジネス」

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
さらに向上するために、プロフェッショナルの経験談や方法を聞いて実践しようと思っても、多くの人が数日続けるだけですぐにやめてしまう。そもそもそのモチベーションはどうやって維持すればいいのか。そんな新しい自分になるための心構えをまとめている。

また、その際人が陥りやすい罠を、人間の心理的傾向を元にわかりやすく説明している。いずれも誰にとっても思い当たるふしのあることばかりなのではないだろうか。

人は自分の手に入らないものを批判する気持ちをどこかに持っています。デートの誘いを断られれば「もともとそんなに好きじゃなかった」と言い、他人がもっているものを見て「そんなものは役にたたない」と批判します。

また、中盤で取り上げられている3つのコンプレックスの反応「同一視」「投影」「反動形成」は呼び名はときどき耳にするが意味をしっかり知ったのは初めてで、この内容を知っていれば自分がもし陥りそうになった場合に修正が効くのではないだろうか。

その他にも「アンラーン」の重要性や「ハロー効果」など興味深い内容を飽きさせないような構成でつづっている。

個人的に僕自身は勉強を始めれば永遠とやってられるぐらいでむしろ本書のターゲットとなる読者層とは異なるのかもしれないが、それでも楽しむことができた。本書の内容は誰にでも「本当に今のままでいいのか?」とか「書かれているような負の罠に嵌っていないか?」と考えさせてくれるだろう。

自分に合わないと思うものを拒否するのは簡単だけど、そんな事をしていたら君の価値観は死ぬまで拡がる事はないよ。

【楽天ブックス】「プロフェッショナルを演じる仕事術」

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
ジャーナリスト池上彰が世界の現状をわかりやすく語る。

「知らないと恥をかく」とタイトルにあるが、こういう本を読んでいると周知している時点ですでに多少恥を晒している気もする。正直言って割と経済や政治に疎い自覚はあるから本書を手に取ったのだ。

扱っている内容は、世界ではリーマンショックや各地の紛争、アメリカ一極集中の崩壊、そして日本国内の問題などであるが、少し読み進めると、本当に表面的な説明だけで、さらに詳しく知りたい人にとっては物足りない内容だと気づくが、世界で起きている多くの諸問題に対して興味を持つきっかけとして、本書は有用といえるのではないか。

たとえば、サブプライムローン問題などは、その問題の引き起こした出来事の大きさ故に多くのメデイアで説明されつくされたものではあるが、各国の低金利が原油価格の引き上げの大きな要因となっている問題などは正直まったく知らなかったことなので、なんとも恥ずかしい驚きであった。世の中をしっかり理解するためには一度しっかり経済学などを勉強すべきなのかも、と感じてしまう。

本書を読み終えたからといって「知らない」ことが「知っている」になるわけでは決してない。読み終えたあとも、世の中はわからないことだらけだという印象は大して変わらないが少しはハードルを下げてくれたような気がする。

パクスブリタニカ
イギリス帝国の最盛期である19世紀半ばごろから20世紀初頭までの期間を表した言葉。特に「世界の工場」と呼ばれた1850年頃から1870年頃までを指すことも多い。イギリスはこの時期、産業革命による卓抜した経済力と軍事力を背景に、自由貿易や植民地化を情勢に応じて使い分け覇権国家として栄えた。(Wikipedia「パクス・ブリタニカ」

ブレトンウッズ協定
第二次世界大戦末期の1944年7月、アメリカ合衆国のニューハンプシャー州ブレトン・ウッズで開かれた連合国通貨金融会議(45ヵ国参加)で締結され1945年に発効した国際金融機構についての協定である。(Wikipedia「ブレトンウッズ協定」

【楽天ブックス】「知らないと恥をかく世界の大問題」

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
ワールドカップやアジアカップなど、日本代表の主要な試合を詳細なデータで解説する。

つい先日「マネーボール」という本を読んだ。その本はメジャーリーグで選手への年俸総額は下から数えたほうが早いにもかかわらず毎年地区優勝を争うアスレチックスがどのようにデータを分析しどのような尺度で選手を評価しているかを興味深く解説したものである。それを読み終えたとき「同じことがサッカーでもできないものか?」という感想を抱いたのだが、その「マネーボール」のサッカー版がまさに本書であり、本書でも「マネーボール」について言及されておりそれなりに影響を受けたことが窺える。

サッカーは野球よりデータの取り方が複雑になるようだが、本書ではいくつかの尺度を用いて解説している。詳細なデータを見ると、僕らが試合を見た印象のいくつかはデータと矛盾していることがわかる。

スペイン代表はほぼ全ての試合をボールポゼッション率で圧倒してきた。当然スペインの攻撃はパスを華麗に繋いでシュートまでいくと思うだろう。データで言えば相手ボールを奪ってからシュートまでの時間は多くかかっていると思われるだろう。しかし、相手ボールを奪ってから16秒以内にシュートを打ったのが6番目に多いチームだった。

Jリーグ2010年のトラッキングデータで瞬間的に最も速く走った選手のランキング表を作ってみた。Jリーグの中で誰が最も早い選手なのだろうか?
答えはおそらくサッカーに詳しい人であれば名前を挙げる事が殆どないと思われる鹿島アントラーズの小笠原満男選手だ。

試合の中で試合をコントロールするゲームキャプテンも、ピッチの外から冷静に分析して指示を出す監督もこの印象に左右される。だからこそ客観的なデータが重要になってくるのだろう。

日本代表の主要な試合のデータをいろんな角度で見ることで、たとえば岡田ジャパンとザックジャパンの考え方の違いなど、またひとつサッカーを楽しむ視点が増えた気がする。ただ、どうしても上でも述べた「マネー・ボール」と比較してしまうのだが、そのデータ解析を面白くわかりやすく説明しているとはいい難く、データ、解説、データ、解説という単調な繰り返しで終わってしまっている点が残念である。サッカーを知っていて、日本代表の試合をある程度見ている人にしか楽しめない内容になっているような印象を受けた。

【楽天ブックス】「本田にパスの36%を集中せよ ザックJAPAN vs.岡田ジャパンのデ-タ解析」

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
2008年、そのスピーチに未来の希望を感じ、オバマ大統領は選ばれた。その後アメリカの貧困層にはどんな変化があったのか。著者が実際にアメリカの貧困層の人々たちに接してその声を届ける。

「すべてのアメリカンに大学教育を受けさせる」「国民全員に医療保険を与える」。弱者を思いやる発言に胸を打たれ、多くの人が、彼なら本当に世の中を変えるかもしれない、と将来への希望を見たのだろう。期待が大きかっただけにその失望も大きいのだ。本書のなかに描かれる人々の声は、失望と、期待しすぎた自分への憤りが見える。

私はあなたに投票した。でも、もう本当に疲れきっているの。一体、何がCHANGEしたのかしら?あなたには本当に失望しています

本書のなかで貧困層の現状を訴える過程で、いくつか議論を巻き起こした事件が取り上げられる。()いまだ根強く残る人種差別と貧困ゆえに高まる犯罪率。日本と同じ先進国でありながら、最下層にここまで差があること、生まれてから努力しても変えようのない状況に人生の不公平を感じてしまう。

大統領が変わることに将来の希望を見た彼らの声を聞くと、アメリカという国で、大統領選挙があれほど国民の関心を引く理由がよくわかる。僕ら日本人がアメリカ人と比べて政治に関心がないのは、ある意味、それが僕らの人生を左右するほどの影響をもたらさないためだろう。それは幸せなことだとも言えるかもしれない。どんな無能な人間が総理大臣になろうと政治によって命の危機を感じることはないだろう。

多くの声をまとめているだけで、著者の考えがあまり介入していない点に好感が持てる。おそらく、本書を読んで、いくつかの貧困にあえぐアメリカ人が口にしているように「オバマは口だけだ」と思う読者もいれば、「そう簡単に改善できないぐらいひどい国にブッシュはしてしまったのだ」とオバマ大統領への期待の目で見続ける読者もいるだろう。貧困層の現状を伝えるだけでそれによる判断は読者に委ねているのである。


オスカー・グラント
サンフランシスコとベイエリアの各地をつなぐ公営高速鉄道システム「BART(Bay Area Rapid Transit)」の駅で、内でけんかをしているとの通報に応じて駆けつけた鉄道警察官らに電車から降ろされ、地面に押さえつけられた状態で撃たれ、死亡した。事件の様子は、通行人が携帯電話で撮影しており、動画がインターネットやテレビで広く放映された。(AFPBB News

アマドゥ・ディアロ
ニューヨーク市に住んでいた23歳のギニア人の移民。1999年2月4日に、ニューヨーク市警察に勤める4人の白人警官から、合計で41発の銃弾を受けて射殺された。 4人の警官は解雇され起訴されたが、その全員が裁判で無罪となった。(Wikipedia「アマドゥ・ディアロ」

ジェニファー・ハドソン
アメリカ合衆国の歌手、女優。(Wikipedia「ジェニファー・ハドソン」

【楽天ブックス】「オバマも救えないアメリカ」

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
2010年1月に自主再建を断念した日本航空。その知られざる内部を客室乗務員の著者が語る。

内部で長い間働いていたからこそ語れる内容ばかりである。機能しない評価手法。強すぎる組合によって弱腰な経営方法など、現在の日本航空の状況を作り出した原因らしきものは多々読み取れるが、なかでも印象的だったのはパイロットの世間ずれした感覚だろうか。パイロットというとどこか神格化されたイメージがあるからこそ、本書で語られる内容に驚くかもしれない。

そして後半は客室乗務員に焦点をあてている。出産によるメリットデメリット、外国人乗務員との条件の違いや、珍エピソードなど。それなりに面白く読ませてもらったが、やや全体的な文体が愚痴っぽいのが残念なところ。フライトアテンダントにあこがれる世の女性たちも一度本書を読んでみたらどうだろうか。少し考え方が変わるかもしれない。

【楽天ブックス】「JAL崩壊 ある客室乗務員の告白」

オススメ度 ★★★★☆ 4/5
中国、オーストラリア、ロシア、カナダ、アメリカの大陸横断鉄道での旅の記録である。それぞれの鉄道で起こった出来事、知り合った人々、驚きなどを描いている。

中国の長江横断、オーストラリアのナラーバー平原、ロシアのバイカル湖など、間違いなく日本の鉄道旅行とはスケールが違うであろうその景色をもちろん文字でしか感じることはできないが、それでもわくわくしてきてしまう。

鉄道好きな人には間違いなくお勧めの一冊。本書を読めば、きっと誰もが大陸横断鉄道の旅にでかけたくなるだろう。

【楽天ブックス】「界一周!大陸横断鉄道の旅」

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
五嶋みどり、五嶋龍と2人のヴァイオリニストを育てた五嶋節が、その子育ての考え方を語る。

タイトルを見て、どんな英才教育が語られるのだろう、などと少し身構えてしまったが、実際ここで語られているのは僕らが一般的に思っている子育ての考え方とそんなに大きく変わらない。親はこどもがいろんなものを見聞きする環境を作ってやることが大事なのと、子供に対しても敬意をもって接すること。そもそも、著者本人は2人のヴァイオリニストを「天才」とは思っていない。ただ2人がヴァイオリンに興味を持ったから与えて、教えただけなのだそうだ。

そんな母親の目線で語られる内容、その経験談に触れることで、なにか感じとることができるのではないだろうか。

【楽天ブックス】「「天才」の育て方)」

オススメ度 ★★☆☆☆ 2/5
デジタルハリウッド学長の杉山知之がクリエイター・スピリットについて語る。

どちらかというとこれからクリエイターを目指そうという若い人に向けられた内容ではあるが、すでに社会に出て10年以上経っている僕にとってもところどころ心に残る内容はある。

特に著者が本書内でたびたび繰り返しているのは、日本という国にすんでいるということが、どれほどクリエイターにとって恵まれているか、ということである。

技術的なことももちろんあるが、それよりも特定の宗教を持たないからこそ、多くの国の人が縛られる先入観を持たないために自由に発想することができる、というのが印象的だった。

日本はずっとディズニーにあこがれてきたわけだけれど、気がついたらディズニーを追い越しちゃっているのだ。それに気づいていないのは日本人だけだったりするのだが......。

1時間もかからず読めてしまうないようなだけに値段ほどの価値があるかどうかは疑問であるが、軽い気持ちで手にとって見るのも悪くないだろう。クリエイターの視点で日本という国を外から見ることができるのは新鮮である。

【楽天ブックス】「クリエイター・スピリットとは何か?」

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
「クラウド」とはなんなのか。人々が漠然と受け入れているその言葉の意味とその有効性を、アップル、グーグル、マイクロソフトというIT界の巨人たちの動向をふまえて説明していく。

本書によると「クラウド」という言葉のブームは2006年に続いて2度目なのだそうだ。しかし一体、世の中のどれほどの人が「クラウド」という言葉の意味を言葉にすることができるのだろうか。実際僕も「Saas」と「クラウド」を同じものとして今まで受け止めてきた。本書ではまずはそんな言葉の意味から説明していく。
決してわかりやすいとは言いがたく、どこか教科書的になってしまう1章、2章は正直やや退屈だったが、「クラウド」「Saas」「Paas」「Iaas」という鍵となる言葉を理解するうえではおおいに役立つだろう。そして各社がどのような戦略をとっているのか、という視点にたってクラウド解説している後半は世の中に対する新しい見方を提供してくれる。

現在3社がそれぞれクラウドに向かって進んでいるが、それぞれの歩んできた道は異なる。印象的だったのが、マイクロソフトのとってきた戦略とグーグルのとってきた戦略が真逆だという考え方である。

マイクロソフトは既存のパソコンに多くの資産を持ち、クラウドを取り込もうとしているが、グーグルはクラウドに莫大な資産を抱え、次は人とクラウドの接点たるパソコンに入り込もうとしている。

そんなふうに中ほどまではマイクロソフトとグーグルの比較に多くのページが割かれるが、その後は、アップルやアマゾンの手法にも触れられる。この手の多くの著者同様、本書もアップルびいきが感じられるが、世の中の状況を見ると、今のアップルの手法を賞賛せずにはいられないのだろう。アップルの賢さ、(したたかさ?)ばかりが印象に残ってしまった。

スマートフォンや電子書籍など、今後のIT界の動向を見つめるのを少し楽しくさせてくれる一冊となるだろう。

【楽天ブックス】「アップル、グーグル、マイクロソフト クラウド、携帯端末戦争のゆくえ」

オススメ度 ★★★★☆ 4/5
楽天やユニクロが社内の公用語を英語にするなかで、いったいそれにどれほどの意味があるのか、そもそも僕ら日本人はなんのために英語を勉強し、その問題点はどこにあるのか、そんな視点からプロの同時通訳者の著者が語る。

最近の迫りくる英語熱に「待った」をかけるような内容で、実際に多くの人が感じているであろうことを代弁している。何も考えずに「世の中の流れだから」と英語を勉強している人には耳の痛い内容も多々含まれているだろう。

三木谷氏は「英語はストレートに表現するが、日本語だとあいまいになる」から、「仕事の効率が上がる」と、よくわからない私見を開陳したようである(英語はストレートに表現するだけの言語ではなく、婉曲な表現もふんだんにあることは、言語コミュニケーションを少しでも勉強すれば分かる)。

著者が語っているのは、グローバル化=英語ではなく、グローバル化というのは文化や言語の多様性を最大限に利用してこそ成り立つもので、英語というひとつの言語を押し付ければ成り立つものではないということ。

そして英語をネイティブ波に使いこなせるようになるのは不可能であり、英語をなんのために勉強するのか、という目的を常に意識して勉強する必要があるということ、などである。

そんな中、なによりおおいに著者に同意したいのは次のこと。

大事なのは英語ができるかどうかの前に、話す内容があるかどうかである。

僕も英語を勉強していてたくさんの人と英語で会話を重ねるが、ときどきどんな質問をしても、熱心に語ってくれない人がいる。「この人にはどんな話題をふればいいのだろう」「そもそもこの人に話したいことなんてあるのだろうか」と。

そういう人は、自分がなにをどのように考え、なにを求めているか、そういうことをもう一度考え直す必要があるのだろう。そういう人が話せるか話せないかというのはもはや英語以前の、人間としての問題なのである。

また、著者は日本の英語教育や、多くの企業がその英語力を計る尺度として利用しているTOEICの信用性についても語っている。英語を学んでいる人、学ぼうとしている人はぜひ目を通すべき内容だろう。

外国語青年招致事業
地方公共団体が総務省、外務省、文部科学省及び財団法人自治体国際化協会 (CLAIR)の協力の下に実施する事業。英語の略称である『JETプログラム(ジェット・プログラム)』という名称も頻繁に用いられ、事業参加者は総じてJETと呼ばれることになる。(Wikipedia「外国語青年招致事業」


参考サイト
JETプログラム公式ホームページ


【楽天ブックス】「「英語公用語」は何が問題か」

オススメ度 ★★☆☆☆ 2/5
200人を超える「初対面対談」を繰り返してきた著者がその経験から、人との会話を盛り上げるために有効な質問とその理由をまとめている。

久しくこういう本は手にとっていなかったのだが、軽くさらっとなにか読みたいなと思って購入してしまった。数年前に読んだ本、確か「聞く技術」というようなタイトルだったと思うが、そこに書かれていたことと若干共通する部分もあり、本書でも、人は誰でも自分のことを話したがる生き物だから、会話では「話す」ことよりも「聞く」ことのほうが大切と書いてある。

実際自分もなるべく「話す」より「聞く」を実行しようと意識はしていて(実際にできているかは別問題)、その結果として、何度も会話をしたことがある人が自分の仕事さえも知らないなんてこともたまにあったりする。

そんな「聞く」ことの重要性を理解した上で、こんな質問が共通点のない人物同士でも会話を盛り上げる、というような20個ほどのキラークエスチョンはがまとめてある。

そこであげられているキラークエスチョンの詳細へはここでは触れないとして、結局大事なのは、相手へのリスペクト、そして、いかに相手を主人公にできるような質問をするかということなのだろう。そして印象的だったのが、自分の弱点を見せることで相手は話しやすくなる、という部分だろうか。次回から実行してみたいとこだ。

そんなふうに、いくつか考え方として面白い部分があるにはあったが、30分もしないで読めてしまう本書に660円とは・・・。気になった方には立ち読みをお勧めしめする。

【楽天ブックス】「キラークエスチョン 会話は「何を聞くか」で決まる」

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
昨今のテレビ番組がどれだけ世の中に悪影響を及ぼしているか、という視点に立った内容である。昨今の若者のテレビ離れは、インターネットなど、テレビ以外のエンターテイメントの普及だけによるものではなく、発信者としての責任を負うことを恐れて、ひたすらクイズ番組に走る、というテレビ局側のモラルの低下も影響しているのだろう。

僕自身ここ数年で一気にテレビを見なくなったから、その「テレビ離れ」の裏にある原因や人の考え方にはおおいに興味があったので、本書を手にとったのだが、ところどころうなずける部分はあるものの、著者のかなり強引な論理と断定的な書き方にやや抵抗を抱きながら読み進めることになってしまった。

とはいえ、確かに、テレビ局が東京に集中していなかったらおそらく飲酒運転の取り締まりは今ほど厳しくはならなかっただろう、という考え方には納得できるものがあるし、自殺報道は規制すべき、という考え方もうなずける。

結局テレビの大罪が「大罪」になってしまう原因は、情報を取捨選択せずに鵜呑みにしてしまう視聴者の側にもあるのだということは、改めて今回思ったことである。

【楽天ブックス】「テレビの大罪」

オススメ度 ★★★★☆ 4/5
ワールドカップが終わってすでに一ヶ月。期待以上の結果に日本は熱狂したが世界はそれをどのように見たのだろう。日本の4試合は、それが自分の国であるということそ除いて考えると、普段世界のサッカーを見慣れたファンにとっては退屈の試合だったに違いない。そして、それは世界各国が日本の試合に対して抱いた感想とそう大きくは違わない。

本書は、世界各国、特にサッカー大国と呼ばれる国々の紙面や解説者のコメントを通じて日本のサッカーの長所や短所を客観的に見せてくれる。

今の問題点や今後日本サッカーのレベルの向上のために取り組むべきことを知ることができるとともに、各国の評価の違いから、それぞれのサッカー大国が何を重んじてサッカーを見ているか、という文化的な違いまでも楽しめるだろう。

「オランダのGKに、ほとんどボールが飛んでません」
「日本は何もしたくないチームのようです。」

【楽天ブックス】「世界は日本サッカーをどう報じたか」

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
マーケティングについて全体的に広く浅く、わかりやすく解説している。僕のように普段マーケティングなんてほとんど考えていない人間が、軽く広く知識を身につけるのにまさにぴったりの一冊。いろんなマーケティングの考え方の間に、その手法を採用している代表的な企業や、例えとして用いられる小話がまた面白い。

また、本書ではマーケティングは必ずしも企業の営利目的だけでなく、昨今では大学など人のニーズを知る必要があるものすべてに適用されるべきだと書いている。そう考えると、人と人とのプライベートな人間関係にまで応用できるのかもしれない。

僕自身は言ってみれば製造過程に関わっているため、あまりマーケティングを意識することはないが、AIDAモデルや4つのPぐらいは自然と口に出てくるようになっておくべきなのかも、と思った。

コモディティ化
所定の製品カテゴリー中において、メーカー(製造元企業)ごとの差・違いが不明瞭化したり、なくなること。(Wikipedia「コモディティ化」

アメリア・イアハート
アメリカ合衆国の女性飛行士。1927年のリンドバーグの快挙に続き、女性として初めての大西洋単独横断飛行などをした。(Wikipedia「アメリア・イアハート」

参考サイト
Wikipdaia「ザ・ボディショップ」
ゆたか倶楽部
3M

【楽天ブックス】「マーケティング」

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
よくある自己紹介を例にとって解説している。辞書で英単語の意味から調べても文章の中でのその単語の使い方がわからない。英語の文章の意味が理解できても実際の会話で使うタイミングがわからない、というのは英語を勉強しているとしばしば感じることだが、「社内の人間関係」「自分の趣味について」など、自己紹介で話されると思われる40のテーマについて、それぞれ10?20程度の文章で構成された自己紹介を掲載しているので、丸暗記してしまえばかなり応用の利く内容だろう。

中には目からウロコの表現も多々あった。

I wanted my apartment to be on the same train line as my office.
(わたしはアパートは会社と同じ路線であってほしかった)
It's important to see things from their point of view.
(彼らの目線で物事をみつめることが大切である)
Catty-corner from the police box is a bakery.
(交番の斜向かいはパン屋です)


また、それぞれのあとには、自己紹介を順序だてたりわかりやすく説明するためによく使われる表現も解説している。一度読んだだけですべてを覚えられるものではないが、しばらく繰り返し読むことになりそうだ。

【楽天ブックス】「英語で自分をアピールできますか?」

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
日本人が間違えがちな単語の使い方を分かりやすく解説している。

冠詞の「a」と「the」と「my」の使い方や、副詞(off、out、over、around)などのニュアンスの説明はどれも目からうろこである。

中でも印象的だったのが「over」と「around」の違いである。本書ではこういっている、「over」も「around」も回転を表す副詞だが「over」はその回転軸が水平で「around」はその回転軸が垂直だというのである。

なるほど、だから人が「turn around」したらスピンだし、「turn over」なら「寝返りを打つ」なのか、「get over」なら「乗り越える」だし「get around」なら「回避する」なのだ。

副詞と組み合わさった慣用句をすべて日本語の意味とつなげようとするのではなく、副詞の意味を直感的に理解して全体をイメージするほうがずっと早いに違いない。

同じように「車に乗る」は「get in the car」なのに「電車に乗る」は「get on the train」。こんな違いの理由についても解説している。

「この一冊を読めばもう完璧」などということは決してないが、今までの理解度を50%増しぐらいにはしてくれるだろう。

【楽天ブックス】「日本人の英語」

オススメ度 ★★★★☆ 4/5
ここ数年医療訴訟という言葉が周知のものとなった。本作品はどうして医療訴訟がここまで一般的なものとなったのか、どうしてここまで医師と患者との信頼関係は崩れていったのか、ということを、僕らがなじみのある医療系ドラマを例に挙げて開設している。

「白い巨塔」「医龍」「ブラックジャックによろしく」「ER」など、多くの人がおそらく、ドラマには当然かなりの誇張が入っているものとして見ているだろう。しかし、その逆もある。つまり、これが真実なんだ、とドラマを通して、それが誤っているにも関わらず受け入れてしまっていることもあるのだ。それはドラマ事態の描き方に大きく影響される。本作品はそういう部分を多々指摘している。

面白かったのは筆者が僕らの描く名医の条件としていくつかの項目を挙げている点である。

・ハンサムでだいたい濃い顔をしている
・患者さんの私生活にまで異様に干渉する
・実力はあるのにアウトローな一匹狼
・よく屋上へいく

なんとも納得のいく。これにあてはまる医療ドラマの中の主人公たちが何人も思い浮かぶ。

そんな面白さも交えつつ、医療の現状の問題点とその原因を訴えてくる。その根底にあるのは、「患者の側はもっと医療は完璧ではなりえないという事実を受け入れるべき」ということである。

「専門外で力及ばず」で失敗したら訴えられるのに、じゃあ、力が及ばないと思ったから断ったら「患者を診るのが医者の使命!」といわれる...。「じゃあ、どうしたらいいの?」という医者たちの嘆きが聞こえてくるようだ。

僕ら患者の側が知っておくべきことをなんとも見事に伝えてくれた。

【楽天ブックス】「「スーパー名医」が医療を壊す」

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
1ワールドカップが近づくにあたって関心の南アフリカ。本書ではその歴史や経済、そしてアパルトヘイトについて書いている。

アパルトヘイトの撤廃からすでに15年近くが経過しながらも未だに犯罪天国と呼ばれ、大きな貧富の格差がある南アフリカ。章ごとに、南アフリカの経済、歴史、日本との関係、と余計な話でページを稼いだりせずに無駄のない構成となっている。ボーア戦争などの植民地時代の歴史から、マンデラ後の、大統領ムベキ、ズマの政策などにも触れている。南アフリカといえばアパルトヘイト。それ以外に大したイメージを持たない僕には多くの興味を与えてくれた。

団体名が最初以外はすべて略称になってしまうので、そのたびにいちいち読み返さなければならないなど、お世辞にも読みやすいとは言い難かったが、内容の濃さを感じた。また、歴史的事実だけでなく南アフリカに在住経験のある著者の視点からだからこそ見えてくるその激動っぷりが見えてくる。

しかし南アフリカのみならず他国の実情を見て、そこに国の自由や平和だけに人生をささげた人のエピソードを知るたびに、自由の認められている国に生まれたことの幸運を感じる。


SADC(南部アフリカ開発共同体) 
南部アフリカ開発調整会議を改組し1992年に設立された地域機関。経済統合や域内安全保障を目指している。(Wikipedia「南部アフリカ開発共同体」

アフリカーナー 
南アフリカ共和国に居住する白人のうち、ケープ植民地を形成したオランダ系移民を主体に、フランスのユグノー、ドイツ系プロテスタント教徒など、宗教的自由を求めてヨーロッパからアフリカ南部に入植したプロテスタント教徒が合流して形成された民族集団である。(Wikipedia「アフリカーナー」

プラチナ 
装飾品に多く利用される一方、触媒としても自動車の排気ガスの浄化をはじめ多方面で使用されている。自動車産業の発達している日本はアフリカからのプラチナの最大の輸入国である。

ボーア戦争  
イギリスと、オランダ系ボーア人(アフリカーナー)が南アフリカの植民地化を争った二次にわたる戦争。南アフリカ戦争、ブール戦争ともいう。(Wikipedia「ボーア戦争」

ナント勅令 
1598年4月13日にアンリ4世が発布。プロテスタント(ユグノー)などの新教徒に対してカトリック教徒とほぼ同じ権利を与え、近代ヨーロッパでは初めて個人の信仰の自由を認めた。1658年の、フォーテヌブローの勅令によりこの勅令は廃止され、迫害を恐れたプロテスタント(ユグノー)の一部が南アフリカに入植する。

【楽天ブックス】「南アフリカの衝撃」

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
近年、インターネットの普及によって生の英語に触れられる機会が増えてきて、それは、英語を学習する人にとっては決して悪い環境ではないのだが、多くの人がアメリカ人を含むネイティブスピーカーのしゃべり方を疑いも持たずに真似してしまうことを懸念しているのである。

日本の若者たちが使う「...みたいな」「...な感じ」のように、アメリカでも「kind of」「sort of」「like」などのあいまい表現が浸透してきていて、実際に多くのアメリカ人がそのような話し方をするのだが、それを「正しい英語」と信じている日本人の英語学習者が多く見られるのだとか。英語のあいまい表現は日本語のあいまい表現と同じように、決して知的には聞こえず、どちらかというとはっきりとした信念や考えを持っていない、自分の考えに自信を持たないように聞こえ、ビジネスの場だけでなくプライベートな場でさえも高く評価されないだろう、というのだ。

また、「let me know」「I mean」「you know」などのような、隙間を埋める言葉を多用するのもそのような人の悪い傾向だという。考える必要があるならば、その旨を相手に伝えてしっかり時間をおいてから意見を言うべきだと。

僕たちは日本人なのだから、日本人の美学があり、ぼくらが話すべき英語のスタイルがあるはず。英語を話すからと言って、美学や文化までアメリカになる必要はないということだ。

考えてみれば僕自身も、たとえ日本語でも決して多くを語る方ではなく、「しっかりと考えたうえで言葉を発する」という生き方をしてきたはず。英語を話している最中とてそれは変わらないはず。

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