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オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
第3回ラブストーリー大賞受賞作品。

韓国で翻訳家になるために勉強しながら生活している26歳の由紀(ゆき)を描く。

日本で生まれ育ちながらも、韓国で生活する由紀(ゆき)の目を通して、韓国と日本の文化の違いが見えてくる。未だ恋愛においては男性の方が年配なのが一般的と考えられるところや、女性がタバコを吸うのを疎ましく思われる点は、一昔前の日本を見ているようだ。

また有紀(ゆき)が、父親の仕事の都合で幼い頃引越しを繰り返しいたという過去が、有紀(ゆき)の正確に大きな影響を与えているという点も興味深い。思春期に転校を繰り返すことを強いられた人間の人格形成の一端を垣間見た気がする。

わたしが適応するのは表面だけ。心を開ききれないから。新しい色に染まってゆくたびに、いったん自分を殺すこともしなくちゃいけない。そればかり繰り返していたら自分が無になりそうだから。必死で自分を守ってしまうの。

読み終わって改めて本のオビを見てみると、どうやら濃厚な官能シーンが評価された作品らしいのだが、個人的には由紀(ゆき)を含む登場人物の性格と、それを形づくる要因となった生活習慣や過去の描き方が、比較的納得のできるもので、とても印象に残った。

そして気に入ったのはこの言葉。

いろんな土地でたくさんの悪意に出会ったけれど、それよりもたくさんの善意に出会った。

そうそう、悪意に出会って、時には嫌な思いをすることは避けられないけど、勇気を持って行動を起こすことによって僕らはいろんな人の優しさや、素敵な出会いに触れることができるのだ。

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