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オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
犯罪被害者救済の活動を続けてきて、自らも心に傷を持つ大原奈津子(おおはらなつこ)は衆議院統一補欠選挙への立候補を決める。その仲間達と当選するために奔走する姿を描く。

選挙の内側が見える作品である。多くの人がすでに認識しているとおり、有権者の心はきまぐれである。政策や候補者の人柄によって決まるのであれば日本はもっと過ごしやすい国になっているのかもしれない。

本作品でも奈津子(なつこ)たちはそのきまぐれな有権者にどう訴えるかを考える。補欠選挙という注目を集めにくい状況をどう利用するか。

そして、政治という多くの利害が絡むことだからこそ、メディアへの対応方法や候補者同士の駆け引きも一歩間違えれば致命的となる。そして本作品をさらに一味変わったものにしているのが、対立候補と決裂した森崎啓子(もりさきけいこ)という女性の存在である。彼女が支持した候補は必ず当選するという実績を持つ。その森崎が奈津子(なつこ)の街頭演説の場に頻繁に現れるようになる。彼女の目的はなんなのか。

そんな選挙の描写に加えて、奈津子(なつこ)が犯罪被害を救うことをスローガンに掲げていることから、犯罪者と被害者に対する日本の状況と、進んでいる海外の状況などにも触れられている。

患者が再犯したのは、医師としてのミスではない。先進資本主義国のなかにあって、精神障害犯罪者を処遇する施設が存在しないのは唯一、日本だけなのだ。

物語の面白さと社会的背景、そして登場人物の魅力まで満足の行く作品だった、加えて、こうやって多くの仲間達と一つの目的に向かう姿に憧れを感じさせてくれた。

辻立ち
街を練り、人が聞いてくれそうな辻に立って挨拶をすること。

シャペローン
イギリスにおいて被害者に対する支援活動を行う警察官

参考サイト
Wikipedia「補欠選挙」

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