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オススメ度 ★★★★☆ 4/5
ルーブル美術館のキュレーターJacques Saunièreが技術館の館内で殺された。その死ぬ間際に書き残したメッセージによって、警察から殺人の疑いをかけられた言語学者のLangdonはJacques Saunièreの孫娘Sophieとともに真実を探ることとなる。

映画化もされた有名作品ではあるが、すでに映画を見たかどうかも忘れており、新鮮な気持ちで読むことができた。本書でもっとも興味深いのはやはり、物語中でも最大のテーマになっている、イエス・キリストの新しい真実だろう。

なんとローマ帝国のコンスタンティヌス以前は、キリスト教およびユダヤ教は女性を神聖化していたのだという。ローマ帝国が国教として取り入れるにあたって、それまでの考え方を政治に都合のいい方向に変えていった結果、今の女性の地位が男性より低い世の中になっているというのである。

物語としてはキュレーターJacques Saunièreの残したメッセージの謎を少しずつ解きながら非常に価値のある宝物に近づいていくという使い古された形式ではあるが、その過程で描かれる真実が印象的なので物語全体を面白いものにしている。

本より映画のほうがいいこともたくさんあるので、映画を否定するわけではないのだが、映画を見てしまうと深い物語が2時間のひどく陳腐で大衆受けする物語になってしまうこともよくあり、この物語は映画が有名だっただけになおさらそんな印象を持っていたが、実際こうして原作を読んでみるととても素敵な物語だということを知った。

映画しか見ないでこの物語を評価した人に、おそらく物語の内容を忘れてしまったであろう今、改めて本書を読んで欲しいと思った。

オススメ度 ★★★★☆ 4/5
1グラムで20キロトンの核爆弾に匹敵する反物質が盗まれ、バチカンのどこかへ持ち込まれた隠された。犯行は宗教と敵対し、過去迫害され続けたいた組織イルミナティによるものだった。

翻訳によるニュアンスの違いが嫌いで、ずいぶん長いこと海外小説から離れていたのだが、周知のようにこの話題性。これだけ話題になる作品はどれほどのものなのか、と久しぶりに手に取ってみた。

物語の舞台はバチカン市国とその周辺のつまりイタリア、ローマである。物語中に出てくる通りの名前や建造物、彫刻まですべて実在する物なので、いやがおうにもそこにある芸術への興味を喚起されることだろう。

また、イルミナティなる、科学を追求しながら教会から迫害されていた組織がその黒幕であるということから、物語中では科学側の主張と、それと相反する宗教側の主張が見られ、それは僕ら日本人のような、無神論者からみても決して理解し難いものではなく、また、ガリレオの地動説など、教会と科学者と間で起こった過去の諍いなどにも触れられているため、いろいろな考え方に触れられるだけでなく、多くのことを考えさせてくれる逸品である。

物事の謎をすべて解き明かそうとするのが科学なら、謎を「神の力」としてきたのが宗教であり、それならその科学と宗教は共存できないのか、敵対しつづけるものなのか…。

なかでも、イルミナティの策略によって窮地に立たされた教会がメディアを通じて教会の必要性を訴えるシーンは強烈な印象を残してくれた。

科学とはどんな神なのでしょうか。民に力だけを与え、その使い方に関する倫理の枠組みを示さないというのは、どんな神でしょうか。子供に火を与えるだけで、それが危険だと注意してやらない神とは、いったい何者ですか。
あなたがたは大量破壊兵器を量産しますが、世界中を飛び回って指導者達に抑制を求めるのは教会です。あなたがたはクローン生物を創り出しますが、人々におのれの行動の倫理的な意味を考えるよう釘を刺すのは教会です。

そして個人的に興味深々だったのが、イルミナティに伝わる伝統的なアンビグラム。土(earth)、空気(air)、火(fire)、水(water)の四台元素の文字が、いずれも点対称(つまり上から見ても下から見てもearthと読める。)で描かれる。そんなことあるのか、と思うかもしれないが、実際にその印は本の中で見ることができる。個人的には本作品のもっとも魅力的な要素の一つだと感じている。

「ダビンチコード」など、他の作品も読まなければならないような気にさせてくれた。


アクアバ人形

ガーナのアシャンティ族の若い女性が妊娠中に背中にくくりつける木彫りの像。将来、強壮な子供が授けられるようにという願いが込められている。

参考サイト
Wikipedia「イルミナティ」
Wikipedia「ビックバン」
Wikipedia「反物質」
Wikipedia「アンビグラム」

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