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オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
ホームレスとなった元医者の日高は、たどり着いた町で、一人の少年と出会う。その少年は13年前に日高(ひだか)が命を救った人間だった。時を同じくしてその町では社会的弱者を狙った連続殺人事件が起こっていた。日高は刑事に依頼されて真相の解明に一役買うことになる。

本作品では幼いころに日高(ひだか)が命を救った少年、真人(まさと)と日高(ひだか)が人間の生き方についてお互いの考えを言い合う展開が多く描かれている。複雑な家庭環境の中で育ったがゆえに、少し風変わりな人生観を持つ真人(まさと)、そして、その過去ゆえに自分の送ってきた考え方を「正しい」とは言い切れない日高(ひだか)。正解のないそんな問いかけが最後まで物語を包んでいる。

特に、この作品の中で繰り返し行われている問いかけは、命を救うことが必ずしも本人にとっていいことなのか?ということである。結果的に不幸になるのであればあえて命を繋ぎ止めないどころか、時にはその命を終わらせてあげることも必要、と主張する真人(まさと)の考え方を、日高(ひだか)は否定することができない。

そして、日高(ひだか)は連続殺人事件と真人(まさと)の関連に気づき始める。

私はとんでもない過ちを犯したのだろうか。善だと信じた行為が、悪への加担だったのだろうか。

ホームレスとなった日高(ひだか)の過去が少しづつ明らかになるとともに、真人(まさと)の家庭環境も少しづつ見えてくる。

興味深いテーマではあるが、ラストは、そんな少しづつ物語を覆ってくる不穏な空気に見合う結末とは言いがたい。読むタイミングが異なればもっと感動できたのかもしれない。

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