趣味/関心事_教育の最近のブログ記事

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
タイトルにあるように14歳でカナダのトップ大学に合格した大川翔が自分の勉強やこれまでの学校や家庭での過ごし方について語る。

経歴だけを見ると、このような偉業は才能のある特別な人間にしかできないものと思うかもしれないが、本書を読んでみるとそんなことはないとわかる。

まず、日本にはない飛び級というものがカナダには存在するのである。日本でも授業中に授業のスピードが遅くて退屈しているような人間を見た覚えがあるだろう。日本ではそのような人間は、他の生徒にあわせてゆっくりと進むしかないが、カナダではそのような生徒は飛び級という選択ができるのである。それによって大川翔くんは常に「ほどよいがんばり」を求められる環境に置かれたのである。本人のレベルよりも高すぎる環境は諦めを生む一方で、低い環境は「慢心」を生むのだろう。そういう意味では翔くんも日本の学校では慢心に溺れた「小学校のとき頭が良かった」生徒になったかもしれない。

もう一つ驚いたのは、何よりも弁護士である母親が勉強する能力と方法を熟知しており、それを翔くんに対してもしっかり実践したことである。それによって翔くん自身も効率的な勉強方法を身につけて行ったのである。

例えば、何かを達成するために必要なことは、その能力を伸ばすだけではなく、何をどこまでやればいいのかという分析である。試験のようなものの場合、実力を上げることはもちろん重要だが、同じように重要なのは、必要以上に時間をかけて他の分野や強化にかける時間が減ってしまうことである。

本書では翔くんがスピーチコンテストで優勝する様子が描かれているが、その過程はまさに分析と必要な技能のマスターに集中しており、目的達成のための理想形である。僕ら大人がそれを今語ることができることにそれほど驚きはないが、それを14歳の時点ですでにマスターしているということは人生のなかで大きな利益になるだろう。

本書を読んで思ったのは、14歳の天才時はしっかりと両親が計画して子育てを行えば、育てることができるということである。

【楽天ブックス】「ザ・ギフティッド 14歳でカナダのトップ大学に合格した天才児の勉強法」

オススメ度 ★★★★☆ 4/5
「ナレッジ・イズ・パワー・プログラム(KIPP)」はマイケル・ファインバーグとデヴィッド・レヴィンによって1994年に設立された教育プログラムである。低所得者層の子供達が中心でありながらも目覚ましい成果をあげているKIPPができるまでの様子を、情熱的な2人の教師に焦点をあてて描いている。

最初は、教育への強い情熱を持ちながらも教室の生徒達を静かにさせることさえできなかったファインバーグとレヴィンだったが、やがてボールというカリスマ教師に出会ってその手法を学び、少しずつ自分達の教育スタイルを確立して行く。そしてやがて2人は「KIPP」という教育プログラムを立ち上げる事を決意するのである。

KIPPの特長として印象的だったのが、「教師の誓い」「保護者の誓い」「生徒の誓い」である。そこには教師、保護者、生徒たちが守るべきことが箇条書きに書かれており、3者が協力することが優れた教育を行うためには必要なのだろう。また、勉強しようとする他の生徒達を守るために、授業中に他の生徒を妨害するような生徒に対しては断固とした姿勢で対応する姿も印象的である。この姿勢は授業という場に限らず、共通の目的を持ったすべての組織に有効なように感じた。

ファインバーグとレヴィンは、KIPPを大きくする過程で、多くの障害を乗り越えて行く。時には周囲から非難されるような強引な手法を用いながらも、理想の教育のために突き進んでいくのである。その強引さは、保守的な教育界を変えるためには正攻法では難しいことを教えてくれる。様々な種類の人々が住むアメリカの教育を帰ることは日本よりはるかに難しそうに見えるが、彼らが様々な困難を克服しながらKIPPを軌道に乗せて行く様子は教育にはまだまだ可能性があると感じさせてくれるだろう。

母親や生徒達の視点で描かれている場面もいくつか挟まれており、最初は手に負えないかった生徒が、優秀な卒業生になる姿は涙を誘う。教育にもまだまだ改善の可能性があるのだと感じさせてくれる。

チャータースクール
アメリカ合衆国で1990年代から増えつつある新しい学校の試みで、チャーター(Charter)と呼ばれる特別認可、あるいは達成目標契約により認可された学校である。(Wikipedia「チャータースクール」

参考サイト
Teach For America

【楽天ブックス】「情熱教室のふたり 学力格差とたたかう学校「KIPP」の物語」

オススメ度 ★★★★☆ 4/5
世の中には成功する子と失敗する子がいる。自分の子供を成功させたくて、お金をかけて教育を施したり、厳しくしつけたりする親がいるが、果たしてそれは正しいのだろうか。

まず誤解しないで頂きたいのは、本書で言う「成功」とは、いい大学に入ったり、いい成績を取ったり、という「短期的な成功」ではないという点である。逆境のもくじけず、物事に挑戦するこころを常に持ち、それによって人生を幸せに生きることが本書の言う「成功」なのである。

まず本書が紹介しているのが、子供時代の逆境によるストレスと成人してからの人生のネガティブな結果には明らかな相関関係である。ストレスが発達段階の体や脳にダメージを与えるのというのである。しかし、一方で親の愛情によってそのストレスは軽減することもできるのだという。つまり、不幸な境遇や貧しい家庭に育っても、親が愛情を注いで育てることで将来成功をする心を持った子供は育てることができるのである。

そしていくつかの教育機関と人に焦点を当てている。そのうちの一つがKIPPアカデミーである。KIPPアカデミーは革命的な教育で低所得層の子供達の成績を向上させ多くのメディアにも取り上げられたにもかかわらず、卒業生のうち大学を卒業した者はわずか21%だった。「一体卒業生達が大学を卒業するために何が必要だったのか」KIPPの創立者であるレヴィンは成績以外の生徒達に必要な者を探し始めるのである。

後半ではチェスの強豪であるIS318の生徒達とチェスの指導者スピーゲルのやり取りを紹介している。スピーゲルが試合に負けた生徒達に必ず試合の後、自分の駒の動かし方と向き合わせて検証させているシーンが印象的である。負けと向き合い、困難と向き合うことの一つの答えだろう。また同時に、チェスだけに打ち込むことが本当に子供達にとって幸せかどうかはわからないとしているスピーゲルの態度も興味深い。

結局本書はどんな育て方が正しいとか、どんな人生が幸せであるとか書いてはいない。貧困問題など現在アメリカ社会が抱える問題を指摘して締めくくっている。

多くのことを考えさせる1冊。機会があれば定期的に読み返したい。

KIPPアカデミー
The Knowledge is Power Program (KIPP) is a nationwide network of free open-enrollment college-preparatory schools in under-resourced communities throughout the United States.(Wikipedia「Knowledge Is Power Program」)

関連書籍
「オプティミストはなぜ成功するのか」
「ちいさなことへのこだわり」(未邦訳)「Sweating the Small Stuff」
「情熱教室のふたり」ダイヤモンド社
「特権の代償」(未邦訳)「The Price of Privilege」
「過食にさようなら」デイヴィッド・ケスラー
「ゴールラインを超える」(未邦訳)「Crossing the Finish Line」
「本物の教育」(未邦訳)「Real Education」
「ここに子供はいない」(未邦訳)「There are No Children Here」
「野蛮なる不平等」(未邦訳)「Savage Inequalities」

【楽天ブックス】「成功する子失敗する子」

オススメ度 ★★★★☆ 4/5
「学級方向立て直し請負人」という異名を持つ菊池省三の教育方針を、元生徒である著者が描く。

学級崩壊はなぜ起きるのか。序盤は現状の教育の現場と、菊池が立ち直らせた生徒達、立て直したクラスについてのエピソードとその方法について描いている。

まず印象的なのは本書のなかで「ほめ言葉のシャワー」と呼ばれる取り組みである。「ほめ言葉のシャワー」とは毎日帰りのホームルームで、その日の日直がみんなの前に立ち、生徒がそれぞれその人のいいところを褒めるのだ。いい行動を褒められる事で、引っ込み思案な生徒も、自分の存在価値を認識するのである。そして、普段素行の悪い生徒も、自分にもいいことができるということを学ぶのだそうだ。

その描写を見て思ったのは、両親に褒められることのない生徒というのが決して少なくないという点だろう。「ほめ言葉のシャワー」という取り組みによって変われる生徒がたくさんいるのは、その裏返しなのだ。

僕自身が比較的いい育てられ方をしたために、そのような状況で育てられる環境というのが想像しにくいのだが、教育というものを突き詰めるためには、多くの子供達がどのような環境で育てられているかを理解するのは大切だと思った。

菊池が生徒たちに教えようとするものの多くは、一生通じるような考え方ばかりである。

「怒る」と「叱る」の違い
怒るとは、「自分中心の感情で相手に接すること」。叱るとは、「相手の存在を認め成長を願って強く意見すること」。
「群れ」と「集団」の違い
個人が自分らしさを発揮して自立しているグループが「集団」。個人の考えよりもその場のなんとなく流れる空気、特にマイナスの空気が勝るのが「群れ」。

本書は教育に関する内容について書かれているが、大人になって誰もが一人前と認めて、自分を叱ってくれないと思う人は、菊池が生徒達に教えようとしていることに感じるものがあるだろう。

一生懸命だと知恵が出る、中途半端だと愚痴が出る、いい加減だと言い訳が出る

【楽天ブックス】「蘇る教室」

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
日本の教育のあるべき姿について、データを元に説明していく。

例えば、「本を与えれば成績がよくなる」とか「ゲームをさせると成績が下がる」とか、世の中でよく言われることを科学的に説明しようと試みていく。その過程で、日本の教育がどれほど証拠もなしに、先入観によって構築されているかに気付かされるだろう。

また、著者はそれ以外にも教育システムの向上のために多くの内容に触れているが、なかでも印象的だったのは計る事のできない「非認知能力」つまり「やりぬく力」の重要性である。教育に関心のある多くの人が中学や高校での教育の重要だと思う一方で、本当に人生を変えるほど重要なのは、小学校に入るまでに培われた自らを律する「やりぬく力」だというのである。「自制心」とも呼ばれるこの力は、若い頃のしつけや部活などの活動を通じで培われていくものだそうだ。

目の前の定期試験で数点を上げるために、部活や生徒会、社会貢献活動をやめさせたりすることには身長であるべきかもしれません。学力をわずかに上げるために、長い目でみて子どもたちを助けてくれるであろう「非認知能力」を培う貴重な機会を奪ってしまうことになりかねないからです。

また、後半で著者が語っている、教員免許の弊害についての考え方も新鮮で面白かった。教育に対して新たな考え方をもたらしてくれる一冊である。

【楽天ブックス】「「学力」の経済学」

オススメ度 ★★★★☆ 4/5
タイガーウッズもモーツァルトのように、世の中に「天才」として語られる人たちは決して生まれながらにして天才だった訳ではなく、それに見合う努力をしてきた。それではそんな「天才」を作りあげる方法、つまり「究極の鍛錬」はどのようにして成し遂げられるのだろうか。

生まれつきの才能というのが過大評価されるなかで、本書では「天才」と呼ばれるまでに一つの分野でたぐいまれなる能力を伸ばす方法についていくつかの例を交えながら説明する。その方法「究極の鍛錬」に必要な要素として以下の要素を挙げている。

(1)しばしば教師の手を借り、実績向上のため特別に考案されている。
(2)何度も繰り返すことができる。
(3)結果に関し継続的にフィードバックを受けることができる。
(4)精神的にはとてもつらい。
(5)あまりおもしろくもない。

基本的には「天才」は努力によって作られるという内容なので、「自分には才能がない」と諦めていた人にとっても希望を持てる内容と言えるだろう。また、身体能力に依存するスポーツや音楽の分野ではかなり若い時期に始める必要があるとはいえ、ビジネスなどの分野では年齢に関わらず一生能力を伸ばすことができるという点も僕らの将来を明るくしてくれる。

しかし、本書は興味深いことにこんな警告も与えている。「究極の鍛錬」によって「天才」と言われるほどの技術を身につけるためには、人間関係などの人生における多くのものを犠牲にし、しばしば周囲の怒りを買う事も多いのだという。そこまでしてそれほどの能力を身につける事が果たして幸せな人生と呼べるのだろうか。

また、忘れてはならないのが、本書は決して「生まれつきの才能」の存在を完全否定しているわけではないのだということ。例えば体格のように「究極の鍛錬」においてもどうしようもない要素が技術を左右することは往々にしてあるのだという。「究極の鍛錬」によってある分野における能力を伸ばすために多くの時間を費やそうとしても、その分野で「天才」になるために必要な「生まれつきの才能」が欠けているかもしれないという可能性は考慮する必要があり、もしかしたら、成し遂げる事のできないことのための「究極の鍛錬」によって人生を無駄に費やす事になるかもしれないのだ。そのリスクを冒してでも自分をひたすら信じて「究極の鍛錬」をすることができるのだろうか。

自分自身の仕事の時間や趣味の時間の過ごし方を改めて考えさせてくれる1冊。僕は常に「究極の鍛錬」ができる環境に身を置いているだろうか。

【楽天ブックス】「究極の鍛錬 天才はこうしてつくられる」

オススメ度 ★★★★☆ 4/5
インターネットの発展と、スマートフォンの普及に伴い、Coursera、Udacity、Edxといったオンラインで大学の授業を受けられるMOOC(Massive Online Open Courses)プラットフォームが注目されるようになってきた。本書はそんなMOOCを含むオンラインエデュケーションの現状に様々な視点から迫る。

かなり前からオンラインエデュケーションには興味を持っていたが、どこか騒ぎすぎな印象も持っていた。一般の人にはどの程度認知されていて、実際にはどれほど人々の学習環境に根付く可能性があるのかいまいちつかめずにいたのだ。本書ではMOOCsで日常的に授業を受けている人々の感想や境遇を説明し、カーンアカデミーなどのMOOC以外のオンラインエデュケーションについても触れている。

序盤のMOOCで勉強をしている世界の人々のエピソードに触れると、自分が人生をさぼっているような気がしてくる。環境に恵まれない人こそ、オンラインエデュケーションの可能性に敏感なのだろう。環境に恵まれている日本人はいつになったら危機感を感じるのだろう。

後半は日本のオンラインエデュケーションの動きをいくつかのサイトと共に説明している。カーンアカデミーのことを知ったときにどうして日本でももっとこのように、学校の勉強についていけないような子供達を助けるための動きがないのだろうか、と思ったが、すでにそのような動きをしているサイトはいくつもあってそのことに驚かされた。

今後も引き続きオンラインエデュケーションの動向に注目していきたいと思った。

【楽天ブックス】「ルポMOOC革命 無料オンライン授業の衝撃」

オススメ度 ★★★★☆ 4/5
1990年代の後半のアメリカ。誰もが犯罪の増加を予想する中、殺人率は5年間で50%以上も減少した。多くの人がその理由を語り始めたという。銃規制、好景気、取り締まりなど、しかしどれも直接的な理由ではない。犯罪が激減した理由はその20年以上前のあるできごとにあったのだ。

わずか数ページで心を引きつけられた。経済学と聞くと、どこか退屈な数学と経済の話のように感じるかもしれないが本書で書かれているのはいずれも身近で興味深い話ばかりである。大相撲の八百長はなぜ起こるのか。なぜギャングは麻薬を売るのか。子供の名前はどうやって決まるのか。こんな興味深い内容を、数値やインセンティブの考え方を用いて、今までになかった視点で説明する。

個人的には冒頭のアメリカの犯罪率の話だけでなく、お金を渡したら献血が減った話や、保育園で迎えにくる母親の遅刻に罰金を与えたらなぜか遅刻が増えた話などが印象的だった。お金を使って物事を重い通りに運びたいならそこで与えるお金の量は常に意識しなければならないのだろう。

なんだか世の中の仕組みが今まで以上に見えてくるような気にさせてくれる一冊。

【楽天ブックス】「ヤバい経済学」

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
五嶋みどり、五嶋龍と2人のヴァイオリニストを育てた五嶋節が、その子育ての考え方を語る。

タイトルを見て、どんな英才教育が語られるのだろう、などと少し身構えてしまったが、実際ここで語られているのは僕らが一般的に思っている子育ての考え方とそんなに大きく変わらない。親はこどもがいろんなものを見聞きする環境を作ってやることが大事なのと、子供に対しても敬意をもって接すること。そもそも、著者本人は2人のヴァイオリニストを「天才」とは思っていない。ただ2人がヴァイオリンに興味を持ったから与えて、教えただけなのだそうだ。

そんな母親の目線で語られる内容、その経験談に触れることで、なにか感じとることができるのではないだろうか。

【楽天ブックス】「「天才」の育て方)」

カテゴリ