「Cの福音」楡周平

オススメ度 ★★★☆☆
ニューヨークで身元不明の東洋人の死体があがった。コカインの常習者だけが明らかとなったがそのまま身元不明として処理された…。
朝倉恭介(あさくらきょうすけ)は、頭脳明晰で格闘技にも長けでいながら、両親を事故で失った過去によるせいか、自分の心を満たす生き方を模索する。その結果の一つとして日本におけるコカインのネットワークシステムを確立した。
すでに何冊か発汗されている朝倉恭介(あさくらきょうすけ)のシリーズの第一作にあたる。本屋の楡周平の作品の売り場を見れば「朝倉恭介」とそのまま本のタイトルにこの登場人物の名前をすえたものも見かけた。登場人物の名前を本のタイトルにするような例はそれほど多くはない、思い浮かぶのでも、御手洗潔(島田荘司)、金田一耕助(横溝正史)、岬美由紀(松岡圭祐)、浅見光彦(内田康夫)ぐらいだろうか。
本シリーズの朝倉恭介(あさくらきょうすけ)が他の登場人物の違うのは、コカインネットワークを築くことからもわかるように、誰にも受け入れられるような「正義」ではないということだ。だからこそその社会のルールに反した生き方の信念がどうやって読者の心を惹きつけていくのかに興味がわく。なんにしても今後に期待である。
本作品は、どちらかというと物語自体よりも、その考え出されたコカインの密輸のシステムを読者に知らし目対のではないかと思えるような内容である。


ショーロ
ブラジルのポピュラー音楽のスタイル(ジャンル)の一つである。19世紀にリオ・デ・ジャネイロで成立した。ショーロという名前は、chorar(ポルトガル語、「泣く」という意味)からついたと言われている。(Wikipedia「ショーロ」
保税地域
外国から輸入された貨物を、税関の輸入許可がまだの状態で関税を留保したまま置いておける場所のことを指す。(Wikipedia「保税地域」

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