「ルージュ 硝子の太陽」誉田哲也

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
世田谷で起きた一家惨殺事件を捜査することとなっった姫川玲子は、やがて28年前の類似事件の存在に気づくのである。

「ストロベリーナイト」に始まる姫川玲子のシリーズの第6弾である。シリーズには短編集も長編もあるが、本書は長編ということで、一家惨殺事件という凶悪事件に姫川は関わることとなる。

警察の捜査の様子とは別に、本書では、ベトナム戦争の後遺症に悩むアメリカ人男性の描写が間に差し込まれていく。戦時中に経験した残酷な命のやりとりの悪夢から逃れられない彼は、日本人の家族を惨殺した夢を頻繁に見るのである。読者は、このアメリカ人を犯人と予想しながら、少しずつ真実に迫っていく姫川とそのほかの警察関係者の様子を楽しむこととなるだろう。

おそらく本書のモデルとなっているのは2000年に起こった未解決事件である、世田谷一家殺害事件なのだろう。本書を読むなかで興味をかきたてられ、事件の詳細を調べたくなった。また、本書はほかのシリーズ作品と異なり、「ノワール 硝子の太陽」という別の物語と表裏一体になっているという。いくつか未解決のまま終わった消化不良の部分もあるが、きっとそのへんは「ノワール」の方で解決するのだろう。物語自体の面白さに加え、そんな2面構成もあわせて楽しめるのではないだろうか。

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