2014年8月アーカイブ

オススメ度 ★★★★☆ 4/5
スティーブ・ジョブズと12年に渡って一緒に働いてきたクリエイティブディレクターの著者が、アップルやジョブズのエピソードを中心に、シンプルであることの重要性を語る。

スティーブ・ジョブズはいろんな話を聞く過程で、独裁的なイメージを持っていた。しかし、本書のなかで描かれる印象は必ずしもそんなことはなく、むしろ自分の気持ちに素直で、しっかりと人の話に耳を傾けることができる人間だったということがわかる。

印象的だったのは、著者が繰り返し、シンプルであることの難しさを説いている点だろう。今やだれもがアップルの偉業を認めており、そのシンプルを貫くポリシーをまねようとするが、ことごとく失敗している。著者は言うのだ、シンプルは0か100かなのだと。中途半端なシンプルさなら必要ない。実際、本書で著者は、シンプルさを中途半端に採用しようとした多くの企業の失敗例を挙げている。

また、これまでにアップルのやってきたことについて語っているので、いくつか新しいことなども発見できた。過去の有名なCMなどは本書を読んだ後につい見返してしまった。本書ではシンプルさを、アップルを支えている哲学として説明しているが、人生のさまざまな場面にも適用できるような気がした。

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オススメ度 ★★★★☆ 4/5
1560年。新九郎(しんくろう)は愚息(ぐそく)と名乗る坊主と出会い行動を共にすることとなる。そんな2人はある日、明智十兵衛光秀(あけちじゅうべえみつひで)と出会う。

本書を読むまであまり明智光秀(あけちみつひで)という人物についての知識を持っていなかった。織田信長(おだのぶなが)の最期となった本能寺の変の鍵となった人物という程度のものである。しかしどうやら明智光秀(あけちみつひで)については諸説あるようだ。本書はそんな1つの明智光秀像(あけちみつひで)を見せてくれる。

鍵と鳴るのは、剣士新九郎(しんくろう)と坊主愚息(ぐそく)である。新九郎(しんくろう)は最初ただひたすら剣を生業にしようとその腕を磨いていたが、愚息(ぐそく)との出会いによって物事を考える能力を身につけ、それが剣の技術にも活かされていく。また愚息(ぐそく)は世の中のルールには従わず自らの信念にしたがって生きている。そんな2人に魅了された光秀(みつひで)はその地位をあげていくなかでたびたび2人の元を訪れるのだ。

面白いのは愚息(ぐそく)がお金を稼ぐために行う博打の方法である。1見すると1対1の5分に思えるそれが物語を非常に面白くしている。

明智光秀(あけちみつひで)という人物についてもっと知りたくなった。また、新九郎(しんくろう)や愚息(ぐそく)の生き方にもなにか心地よさを感じた。

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オススメ度 ★★★★☆ 4/5
シリコンバレーで生活する著者がインターネットでおこっている大きな動きについて語る。

GoogleやWikipediaに代表されるインターネット上で起きている動きは一体どのようなものなのか。それは物や対面のサービスのなかで育ってきた人々にとってはなかなか理解しにくいものなのかもしれない。僕自身はむしろインターネットが十分に生活に根付いているのでそんなことは考えた事もなかったが、著者の意見から年配者が感じる困惑も少し理解できた気がする。

著者が持つ様々な人脈から得た意見などから現在のネット上の動きを説明してくれるため、もともと知識として持っていたことに対しても新たな視点を持つ事ができる。例えば、著者は「恐竜の首」と「ロングテール」という言葉を使ってamazonの強みを説明する。今まで、基本的に店舗は、多くの人に人気のある商品、つまり「恐竜の首」だけを扱ってきて利益を出してきたが、実際の店舗を持たないamazonは「ロングテール」から利益を出すことができる点が新しいというのだ。

また、同じようにGoogleについても触れている。Googleは世の中の本をすべてスキャンして無料で提供しようとしており、それが著作権の侵害とか出版社の利益を損ねるとか、多くの議論を呼んでいる。しかし、反対意見はいずれも「恐竜の首」部分の本を扱う人々の考えであって、「ロングテール」つまり非常にニッチな本の作者にとっては、無料とはいえ、まず人の目に触れてもらう機会があることこそ重要なのである。

本書自体が2006年に発売されたものであるがめ、例えばFacebookやTwitterに関する記述がないなど、現在のインターネットの流れからやや遅れている点は残念だが、それでもいくつか印象的な考え方を知る事ができた。同じ著者の続編、「ウェブ時代をゆく いかに働き、いかに学ぶか」と内容的にかぶる部分も多いので、そちらだけ読んでもいいのかもしれない。

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オススメ度 ★★☆☆☆ 2/5
著者はマレー半島を南下し、シンガポールへ向かう。

マカオに別れを告げて、著者はシンガポールへと向かう。第1弾のマカオの物語でもそうだが、著者がそこらじゅうで娼婦に声をかけられたり買春を勧められる点は、著者のような旅に憧れる人間として辟易させられる。

本書では著者が旅に出たきっかけについて触れられていて、それが本書でもっとも印象的である。むしろ旅の描写はあまりマカオや香港と変わらず、特に目新しく感じる部分はなかった。次のインドの章に期待したい。

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オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
警部に承認した安城和也(あんじょうかずや)は父親同然に慕っていた加賀谷仁(かがやひとし)を覚せい剤所持で警察から追放することに成功する。やがて安城(あんじょう)は班を率いて覚せい剤の取締を担うこととなる。

タイトルから佐々木譲の他の作品、「笑う警官」「警官の血」などとの物語的なつながりがあるかと思ったが、あったとしてもよっぽど繰り返し読んでいる著者にしかわからない程度だろう。物語の主人公が、父親のように慕った警察を売った警部という点も、物語に感情移入しない点なのかもしれない。

佐々木譲の警察物語に期待するスピーディな展開は本作品ではあまり見られず、特に印象に残らない作品になってしまった気がする。

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オススメ度 ★★★★☆ 4/5
現代と違って何年もかかる建築の過程で周囲の政治も変われば建築家も財政状況も変わる。1つの大聖堂の建築に関わる人々の物語。

物語は大聖堂の建築に関わりたいと願う建築家のTomとその家族がとある修道院を訪れてそこでPhilipと出会う事から始まる。やがてPhilippは不幸なできごとによって焼け落ちてしまった教会をTomの力で再建する事を決意する。物語の序盤はそんなTomの恋愛や家族のことやPhilipの苦悩で占められる。

そして、中盤からは様々な登場人物が生き生きと躍動してくる。一人はTomの2番目の妻Ellenの息子Jackであり、彼は彫刻に非凡な才能を見せ、やがて大聖堂の建築を担うようになる。また領主の娘に生まれたAlienaはWilliamの策略によって、その地を弟Richardと追われるが、自分たちの地位を取り戻す事を決意し強く生きていく。

大きな建物も2,3年で、気がついたら出来上がってしまっている現代の感覚だとなかなか想像できないが、政治の不安定な当時は、大きな建物を建築するためには相当の月日が必要な事がこの物語から見えてくる。次回、海外旅行で建築物を見る際はまた違った視点でみることができるだろう。

壮大な物語で読み終わるのにかなり時間がかかった。続編もあるらしいのでぜひ読んでみたい。

デリーからロンドンまで乗り合いバスで行く、そう思い立った沢木耕太郎の旅を描く。

本書で中心と鳴るのは香港とマカオである。著者が少しずつその土地に慣れていく過程が面白い。後半の大部分はマカオのギャンブルの様子を描いている。特にギャンブルを面白いと思っていなかった著者が、少しずつギャンブルの面白さに魅了されていく。ギャンブルにもただお金をかけるだけでなく、店側の思惑やディーラーの技量、他のギャンブラーの様子など、いろいろな楽しみ方があることを教えてくれる。

まだ旅は始まったばかりである。

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