オススメ度 ★★★★☆ 4/5
ソニーでVAIO、スゴ録などを生み出し、その後グーグル日本代表取締役を務めた著者がソニーと、グーグルについて語る。
タイトルにグーグルの名前があるが、内容の大部分は著者のソニー時代のエピソードで占められている。入社当時、すでに立派な企業であったソニーはすでに大企業病に陥っており、過去の人々が築き上げた栄光にすがって努力をしない人々がいた。本書のなかで語られるエピソードからは、そんな組織のなかで著者が悪戦苦闘する様子が伝わってくる。
第七章では「ウォークマンがiPodに負けた日」としてAppleのiPodとiTunesについても語っている。著者が言うにはインターネットで最初に音楽配信をやったのはソニーだったということ。にもかかわらず、人々の音楽の楽しみ方の変化についていけなかったゆえにアップルとの差は開く一方。すでにいろんなメディアで語られたアップルの成功物語であるが、それをソニーの内部という違った目線から語られるので新鮮である。
最後に、自らの体験を振り返って、これから日本の企業がどうあるべきかを語る部分が非常に印象的である。異なるタイプの世界的な企業に勤めた経験がある著者が語るからこそ非常に重みを持って響いてくる。
今のこの変化の激しい時代を生きることを大変と思う人もいるだろうが、むしろ、様々な生活を楽しむことのできる貴重な時代に生きている、と前向きに受け取ることもできる。著者が締めくくったそんな内容のエピローグにはなんか元気をもらえた気がした。
【楽天ブックス】「グーグルで必要なことは、みんなソニーが教えてくれた」
masato (2012年5月21日 00:19) | コメント(0)オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
デザインの重要性と、優れたデザインをするための考え方を著者の経験から示している。
どちらかというとデザイナー向けではなく、デザインの重要性を軽視しがちな人向けである。どこかで聞いたような話も多い中、個人的に印象的だったのは冒頭のアイコンデザインの話である。
アイコンデザインというと、つい数年前までデザイナーの仕事でしかなかったのだが、ここ数年は、Twitter、Facebookとオンラインでのコミュニケーションが一般の人にまで普及してきたため、すべての人が「アイコンデザイン」を考えなければいけない時代になっているという。しかし、多くの人がただ漠然と自分の写真をアイコンとして設定したり、顔を出すのを嫌がって、ペットなどの動物をアイコンに設定するケースも多い。
ところがアイコンによってその人が相手に与える印象は大きく異なってしまう。たとえば、同じ日常的な会話、「おやすみ」でも、その隣に表示されるアイコンの顔がアップなら押し付けがましい印象を受けるだろうし、小さく顔の映ったアイコンならまた違った印象を受けるだろう。こうやって考えると、オンラインだけのコミュニケーションが日常的になっている昨今、決してアイコンデザインを疎かにしてはいけない、と著者は言うのだ。多くの読者は読み終わったあとにアイコンを変えたくなるのではないだろうか。
また、AppleやGoogle、スターバックスなど誰もが知っている企業を例に挙げながらデザインの重要性を説いていく、冒頭でも書いたとおり、どちらかというとデザインへの関心の低い人向けであるが、そういう人は「デザインセンスを身につける」という本はなかなか手に取らないと思うが実際どうなんだろう。
【楽天ブックス】「デザインセンスを身につける」
masato (2011年11月22日 01:38) | コメント(0)オススメ度 ★★★★☆ 4/5
本書で一貫して主張しているのは「ウッフィーを増やす」ということである。「ウッフィー」とは何か。明確に本書でそれが定義されているわけではないが、「信頼」とか「安心」とか「尊敬」といった言葉で置き換えられそうなもの。
著者が言うのは、現在ほど、SNSが浸透している今、利益をあげようとするなら、「ユーザー数を増やす」「利益をあげる」「価格をあげる」とか、過去の慣習に従うのではなく、ウッフィーを増やすことこそその近道だと説くのである。
この考え方には僕自身非常に納得できるものがある。例えば映画を例にとってみても、映画館に足を運ぶ人の多くはCMで観た映像だけを頼りに決断して、実際に面白かったかどうかを知る手段はほとんどなかったが、インターネットが浸透した今では、映画を観終わった人がすぐにその感想を情報を発信してしまうのである。「クチコミ」の広まるスピードがインターネット以前と以後では何倍にもあがってしまったのである。
つまりそれは、言い換えるならインターネット以前の時代では「印象」だけで顧客を得ることのできていたものが、今は「内容」を伴わなければ不可能になったおいうことなのだ。
著者の体験をもとに、あらゆるウッフィーの増やし方と、自らの成功例、そして、いくつかのアメリカの企業を例にとってウッフィーを増やすことに成功した例や失敗した例を挙げている。どの例もとても興味深い。
またアメリカの企業のSNSに関する認知上は日本のそれよりはるかに進んでいることがわかる。日本にも速く追随して欲しいものだ。
さて、この「ウッフィーを増やす」という感覚。企業であれ個人であれ、その重要性を知っている人はすでにその何年も実践しているのだろう。そして、きっとその重要性を知らない人はいつまで経っても理解できないのだろう。結局それは人を信じるということに繋がってくるのだから。
なんにせよ、多くの企業がウッフィーの重要性を理解し、それを獲得することを第一に考え始めたら、すべてに人にとって過ごしやすい世界になるだろうと感じた。
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masato (2011年8月26日 10:54)オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
ラリー・ペイジとサーゲイ・ブリン。スタンフォードの大学院で出会った2人がGoogleを起こしてから、これまでの進化の過程を描く。
アップルのスティーブ・ジョブスや、フェイスブックのマーク・ザッカーバーグに比べるとはるかにメディアに顔を出すことの少ないGoogle創業者の2人。そんな2人の生い立ちや出会いなどから時系列に、Googleの成長の過程と、周囲の反応などを描いている。
僕の印象では、ラリー・ページもサーゲイ・ブリンも非常に知的でストイックなイメージだったのだが本書を読むと、実はずいぶんその印象と異なることがわかる。2人はむしろ何かに夢中になって周囲が眼に入らない少年のようである。2人が繰り返し口にしたというこんな言葉が印象的である。
さてそんな子供のような2人でも、そのアイデアとエンジニアとしての発想に未来を感じた人々が集まることによって、Googleという企業は大きくなっていくのだ。実際には僕らが思っているほど、世界を変えるのに必ずしもリーダーシップは必要ないし、幅広い知識も必要ないということなのだろうか。Googleの成長の過程では、知識や技術が必要であればそれを持った人が加わってくるように見える。
さて、面白いのはGoogleの成長だけでなく、Googleの成長とその無料でサービスを提供してしまう手法によって、慌てふためく既存メディアの対応である。訴訟を起こす企業、新しい波に乗ろうとする企業などさまざまであり、そこには今ある利益を守ろうとするためにイノベーションを起こせない大企業の弱点がはっきり浮かび上がる。
向かうところ敵なしに見えるGoogleだが、本書ではGoogleの弱点として、たびたび人々の感情に鈍感な点を挙げている。例えば大容量のGmailにはメールを永遠に蓄えられる余裕があるため、削除機能は必要ないと主張し、人には消したいメールがあるという感情に気づかないし、YouTubeの広告枠を売りながら、動画によっては広告主はそのこに広告を表示したくないという感情に気づかないのだ。
多くの企業がGoogleによって苦しめられるなか、一般ユーザーはその恩恵に享受している。しかし、僕らもその行く末を楽観視していいのだろうか。本書を読み進めるなかで僕はそんな著者からの問いかけを何度も感じた。
流通が簡略化され仲介業者がいなくなればコストは抑えられる。しかしそれによって、そのコンテンツの製作者はそれに見合う利益を得られるだろうか。長期的に見れば、今の流れは将来的にコンテンツの品質の低下を招く恐れがあるのである。今からそんな事態を回避する動きをするべきなのかもしれない。
【楽天ブックス】「グーグル秘録 完全なる破壊」
オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
Facebookの始まりから現在に至るまで(といっても2009年まで)を時系列に、マークザッカーバーグやその他買収に名乗りを上げた企業たち、よきアドバイザーたちとのエピソードを交えながら描く。
多くの人名や、資金調達のためのベンチャーキャピタルやGooggleやMicrosoftとの駆け引きなど、経済面に関する知識がお世辞にも豊富ではない僕にとっては、なかなかすべてを理解するのは難しく、多くの人にとっても、きっと読みやすいとはいえないだろう。しかし、それでも今までフェイスブックが辿ってきた成長の経緯と、フェイスブックのCEOであるマークザッカーバーグのフェイスブックに対する姿勢、そして、そのフェイスブックという巨大なSNSが持つ可能性はしっかり伝わってくる。
その進化の過程は必ずしも順風満帆なものではなく、フェイスブックが人とのつながりをより容易にしたがゆえに、自ら作った機能によって結束したユーザーたちが、フェイスブックの機能変更やポリシーに対して反対運動を始めるということもあったし、多くの企業が買収に乗り出したりもした。そして、もちろん問題は外部からだけでなく内部からも生じたりもした。莫大な人口に影響を与える会社を運営していくことに伴う障害やその困難、圧力を多少なりとも感じることができるだろう。
そして、本書中盤で触れている、フェイスブックの基本となる考え方が特に印象的である。
たとえばmixiを例にあげるなら、mixiで会社の人間はマイミクにしたくない、と思っている人は多いだろう。これはつまり、その人がプライベートと会社で2つのアイデンティティーを使い分けているためなのだ。
しかしフェイスブックはそれを許さない。それはつまり何かどこかで悪い行動をすれば、それが最初は一人の友達が知ることだとしても、たちどころに会社の同僚や恋人に知れてしまう可能性があることを意味する。
僕らがSNSに対して持っている恐怖の根源はこういう可能性にあると思う。しかし、本書が説明するフェイスブックのこの哲学の根源にある考えは、人々の透明性がSNSを通して増すことによって、人々はどんな場所でもどんなときでも自分の行動に責任を持たなければならなくなる。つまり人々の誠実さが増す、というのである。
話が大きくなりすぎて実感がわかないし、ただの理想論のように聞こえなくもないが、SNSというもののなかにこのような可能性を見出しているということ感心してしまった。
間違えなく本書は、読む前と読んだあとで読者のフェイスブックに対する姿勢を大きく変えてくれることだろう。そして今後のフェイスブックの動向を楽しみにさせてくれるに違いない。
【楽天ブックス】「フェイスブック 若き天才の野望 5億人をつなぐソーシャルネットワークはこう生まれた」
オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
アップル製品に興味のある人や、IT業界の動向に関心のある人は誰でも一度は彼のプレゼンを見たことがあるのではないだろうか。本書は、スティーブ・ジョブズのその魅力的なプレゼンテーションを分析し、聴衆を魅了するテクニックの数々を明らかにしていく。
僕自身はプレゼンなどほとんど縁のない仕事をしているが、それでも興味を持って読むことができた。魅力的なプレゼンをするための手法として印象的で僕らが陥りがちな手法は本書でたくさん触れられているが、パワーポイントの箇条書きの部分が一番耳が痛い。同じように感じる人は多いはずだ。
そのほかにも「3点ルール」や「敵役の導入」「数字のドレスアップ」などは面白く読ませてもらった。
読めば誰もがプレゼンをしたくなるだろう。必ずしも大勢の人の前でのプレゼンだけでなく、コミュニケーションの根本にあるあり方について考えさせられる内容である。
【楽天ブックス】「スティーブ・ジョブズ驚異のプレゼン 人々を惹きつける18の法則」
masato (2011年3月20日 23:57)オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
「クラウド」とはなんなのか。人々が漠然と受け入れているその言葉の意味とその有効性を、アップル、グーグル、マイクロソフトというIT界の巨人たちの動向をふまえて説明していく。
本書によると「クラウド」という言葉のブームは2006年に続いて2度目なのだそうだ。しかし一体、世の中のどれほどの人が「クラウド」という言葉の意味を言葉にすることができるのだろうか。実際僕も「Saas」と「クラウド」を同じものとして今まで受け止めてきた。本書ではまずはそんな言葉の意味から説明していく。
決してわかりやすいとは言いがたく、どこか教科書的になってしまう1章、2章は正直やや退屈だったが、「クラウド」「Saas」「Paas」「Iaas」という鍵となる言葉を理解するうえではおおいに役立つだろう。そして各社がどのような戦略をとっているのか、という視点にたってクラウド解説している後半は世の中に対する新しい見方を提供してくれる。
現在3社がそれぞれクラウドに向かって進んでいるが、それぞれの歩んできた道は異なる。印象的だったのが、マイクロソフトのとってきた戦略とグーグルのとってきた戦略が真逆だという考え方である。
そんなふうに中ほどまではマイクロソフトとグーグルの比較に多くのページが割かれるが、その後は、アップルやアマゾンの手法にも触れられる。この手の多くの著者同様、本書もアップルびいきが感じられるが、世の中の状況を見ると、今のアップルの手法を賞賛せずにはいられないのだろう。アップルの賢さ、(したたかさ?)ばかりが印象に残ってしまった。
スマートフォンや電子書籍など、今後のIT界の動向を見つめるのを少し楽しくさせてくれる一冊となるだろう。
【楽天ブックス】「アップル、グーグル、マイクロソフト クラウド、携帯端末戦争のゆくえ」
masato (2010年12月10日 02:02)オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
iPhoneとアンドロイドで世の騒がせるアップルとグーグル。IT業界の2大巨人の動向を説明している。
まずは、当然のように世の中のスマートフォンの話題をさらっているiPhoneとアンドロイド携帯について話から入る。世の中では出荷量や販売台数など、多くのデータによって優劣がつけられているが、では実際はどうなのか。そして、それぞれの戦略や過去の発展の経緯についても語っている。
また世の中では一般的にアップルとグーグルは敵対しているように語っているが、実際にはどうなのか、そもそもアップルとグーグルのサービスは共存し得ないものなのか、など。そして、アップルとグーグルだけでなく、明らかに後手にまわっているマイクロソフトや、日本企業は今後どうあるべきか、なども含めて語られている。
僕らが、iPodやGoogleMapなど、すでに日常の中に自然と溶け込んでいる両者のサービスを使う中で、感じ取っているアップルとグーグルのベクトル違い理解するのに大いに役立つだろう。同時に本書によって今後の動向にもさらに関心を持つことになるだろう。
【楽天ブックス】「アップルvs.グーグル」
masato (2010年10月28日 23:49)オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
松下電器からアップルに転職した著者目線で、アップルという会社を主要人物が語った明言を引用しながら説明していく。典型的な日本企業である松下とアップルを比較することで、アップルのその異質な社風が見えてくる。
アップルがどれだけ偉大なことを成し遂げてきたか、ということを考えると、誰もがそんなプロジェクトに関わりたいと思うだろう。しかし、偉大な商品をつくったからといって、その会社が誰にとっても魅力的な労働環境を提供しているとは限らないのだ。よくも悪くもアップルという会社がユニークな会社であることが見えてくる。また同時に、僕らが「会社はこうあるべきだ」と考えているもののいくつかが、必ずしも会社に必要でないものであることも気づくだろう。
それでも思うのだ、アップルで働いたら、きっと何時間でも働かなければならないだろうし、仕事以外のことを一切放棄しなければならないときもあるだろう。それでもここまで熱意を注いで仕事ができることは幸せなんだろう、と。
本書で挙げられている歴史をつくったアップルの偉人たちの名言の中の、いくつかが胸に刺さるのかもしれない。
【楽天ブックス】「世界を変えたアップルの発想力」
masato (2010年9月29日 01:09)





